みんなは魔法少女？いやだ！…でも私 がラスボスを倒す？え…？マジで？

第5話 魔法少女は私だけ、マジで

変身状態を解除した後、私は時々彼女に話しかけたが、彼女はずっと黙っていて、最後に私も諦めて、静かに彼女の後ろについていくしかなかった。

ついに、彼女は足を止め、隣の特徴のない壁面に振り向いた。

「ここは？」

やはり、彼女は答えずに万年筆を取り出し、軽く前を指さした。そして、淡い紫色の光を放つ複雑な模様が、もともとぼんやりしていた壁面に現れ、ドアが浮かんだ。

「うそ、魔法？」

私たち「魔法少女」はそう呼ばれていますが、おなじみの「魔法使い」のように便利な魔法を好きなように使えるわけではありません。目の前の少女がこんなにクールな技を持っているのを見て、少し羨ましくなりました。

「入って。」

彼女はこのドアを開けて中に入ったが、私も一緒に頭を乗り出した。

ドアの後ろにはとても広い円形の部屋があり、周りは巨大な円弧の本棚に囲まれています。真ん中には巨大な机があり、机の前にはやや背の低い長方形の茶テーブルが置かれており、茶テーブルの両側には非常に高価な革のソファーが置かれている。そして今開いているこのドアに向かっているのは、もう一つのドアで、その先はどんな場所なのか気になります。

私はすぐに部屋に入るのではなく、このドアの出入りを繰り返し、感慨にふけった。

「It’s bigger on the inside!」

「……」

少女は何も言わずに私を見つめているだけで、ちょっと怖い。

「ゴホン、すみません、ちょっと興奮しすぎました。」

私は振り向いてドアを閉めたが、少女は茶テーブルの側に座り、いつ現れたかわからない茶器で紅茶を入れた。

「牛乳、レモン、角砂糖？」

「紅茶だけでいい。」

少女はうなずいて、カップを私の前に押した。

「あの……」

「じゃあ、出して。」

「え？何言ってるの？」

私はカップを口元に置いたが、少女の冷たい言葉に動きを止めた、戸惑いながら尋ねた。

「チェンジ·パックト、それを持ち続けてもあなたに危険をもたらすだけです。あなたがそこからそれを見つけたのかはわかりませんが、魔法少女はもうこの世界には必要ありません。」

「は？でも、敵はまだ滅ぼされていないんじゃない？むしろ、前よりもずっと多くなっている。」

さっき、何匹もの巨大なSinnicに囲まれていた時の様子を思うと、Gさえが少し可愛くなったような気がします。

「では、あなた一人で全滅することができますか?」

「いや……一人ではもちろんダメだけど……でも他に魔法少女がいたら？」

少女は変な顔をして、私をじっと見つめていて、少し不快にさせた。

「他に……魔法少女がいたら……」

「どうやら、とぼけているようには見えませんね。」

彼女は私を見ずにため息をついて、頭を下げて紅茶を1口飲んで、顔をそむけた。

「魔法少女……」

彼女の表情はますます苦しくなり、嫌な予感はますます強くなってきた。

「もう……」

彼女の左手は右側の大きな腕の袖をしっかりつかんで、明らかに震え始めた。

「……全滅した。」

「えっ？」

魔法少女は全滅した……？

ストレスで震えが止まらない少女を見て、私は一瞬心が乱れて、何と言ったらいいか分からなかった。

彼女は嘘をつかなかった。私はそれを理解したが、この事実を受け入れることはできなかった。

「ちょっと、待って、え？今の時間は……？」

「たぶん、午後3時ごろかな……」

「いや、そういうことじゃなくて……今は何年？」

彼女は突然震えを止め、信じられない目で私を見つめ直した。そして、ふと何かに気づいたかのように、立ち上がって本棚の前に来て、その中から本を取り出してめくると、口の中にはまだ言葉が連なっていた。

「かつてこの世界が陥落していなかった頃、奇妙なことがあった。当時、ある魔法少女は、交戦中のSinnicとともに強い白い光の下で姿を消した。その後、その魔法少女も音響設備から変わった怪物も、再び姿を現すことはなかった。そして今は、」

彼女は早足で私のそばに行って、力を入れてテーブルをたたいて、顔をほとんどくっつけて、すでに彼女の息を感じることができました。

彼女の手が私に見せてくれたのは、本のページに貼られていた、切り取られて保存されていた記事で、3人の魔法少女が再びLegionの幹部を負かし、隅の小さな紙幅は、彼女がさっき言った事件に言及していた。

「……その時の、五年後。」

「20……59年……」

「はい。」

人全体が力を失い、糸を切った人形のように柔らかいソファーにはまってしまったような気がします。

「ここは……未来……」

「はい。」

「波咲島は悪の組織によって完全に占領され、魔法少女たちが全滅した、未来。」

「はい。」

「そんな……」

私を見てしばらく納得できなかったが、少女も静かに私の向かいのソファーに座り、手に持っていた本をテーブルの上に置いて、私が考えを整理するのを待っていた。

「じゃあ……」

私は服の縁をぎゅっとつまんで、自分の舌が制御されていないような気がして、どうしても気になる質問ができません。

「……望ちゃん、今はどうなっているのかわからない。」

逃げることを選んだ。同じように望ちゃんのことを心配しているが、これは私が本当に聞きたいことではない。結局、目の前の変な少女が私の言っている「望ちゃん」が誰なのか知っているはずがないだろう。

「望……？」

やはり、彼女は問い返した。

「私の幼なじみで、彼女を探すために波咲島に帰ってきたの。でも、ずっと彼女を見つけることができなかった……」

「『帰って』、つまり、あなたは以前離れたことがありますか？」

「ええ、私の母は転勤になったので、私たち家族はみんな東京に引っ越しました。」

「でも……電話したり、Lineしたり、連絡したいなら、いろいろ方法があるんじゃない？」

「そうですね。でも、このような連絡は約1年しか続いていませんでしたが、その後、いつの間にか、彼女は私のメッセージにタイムリーに返事をすることができなくなり。その後、電話にも出ず、Lineにも返事をしなくなりました。」

「そうか、もともと仲の良かった友達が、急に疎遠になってきて、まぁ、人間にとっても普通のことだろう。」

「そうだね、そんなことはわかっているよ。でも、やっぱり望ちゃんにはまた会いたいから、両親に内緒で、波咲島の中学校の生徒募集の試験を受けたんだ。」

「なるほど、それから試験に合格して、両親に同意を求めた、この島に引っ越してきたのですね。で、あなたの家族は？」

私は首を横に振った。

「一緒に引っ越してこなかった。中学生になってから、ずっと一人暮らしをしていて、両親との関係も気まずいものになりました。」

「そう……わかりました。今、突然チェンジ·パックトを渡してほしいと言われても、納得できないでしょう。5年も行方不明になっているのに、まだ帰る場所がありますか？」

彼女は黙って、優しい笑顔を見せて、私に尋ねた。

「いいえ…。昔借りていたアパートに行きましたが、そこにはもう知らない子が住んでいました。」

「じゃあ、これあげる。」

少女はすみれの形をした銀の飾りのようなペンダントを手渡し、中には小さな紫水晶がちりばめられていた。

「Legionの感知を遮断することができます。変身しない限り、彼らにあなたの姿を発見されることはありません。次にあなたがどうしたいのか、まず目でこの世界の現実を理解しましょう。答えが出たら、私はあなたのチェンジ·パックトを取りに来て、でも交換として、あなたに居場所を与えます」

結局、私にチェンジ·パックトを渡してほしいのですか？しかし、私は反論する声も出ていません。なぜなら、私自身も魔法少女として戦いたいと思っているのかどうか分かりません。もし他の魔法少女が失敗したら、弱い自分は何ができるのでしょうか。

「わかた……」

あ、そういえば、

「まだ名前聞いてないでしょ？私は華、黒井華、あなたの名前は？」

「……詩藤紫苑、紫苑と呼んでくれればいい。」

こうして、この少し変わった少女に別れを告げ、再び地上に戻った。