異世界クラフト ～MyTuber アラタのVlog～

■００８，『アラタ＋ペット飼ってみた』

「ありがとうございました。またおこしください」

「どうもです」

　今日は珍しく地球側で買い物。

　異世界で売るモノの品定め。

>>身バレしない？

>>住所バレるぞ！

「大丈夫、もうバレてる。元々、MyTubeやるために建てる家だから、家建てる前から噂広まってたんだ」

>>建築会社……。

>>意外とそんなもん。

「だから、住んでる場所とか特定されても、今さらって感じ。まぁ、イタズラされたら訴えるけど」

>>それでいい。

>>バカは相手するだけ無駄だしな。

　みんなと話していると、道路に白い塊を見つけた。

「おい！　やば！　あれ犬だ！」

　慌てて道路に飛び出し、生きてるか確認。

　呼吸していたので、ひとまず歩道へと連れていく。

>>イッヌ、可愛そう……

>>あかん、見てられへん。

「ヒール使ってみる。お、いけた！」

>>地球でも魔法使えんのかよ！？

>>アラタ、なんでもありになってきたな

>>わんこが無事なら、それでいい。

　ワンッ！

「この子、首輪ないけど、どうしよう？」

　犬は体をすり寄せてくる。

>>気に入られてるな、アラタ。

>>最後まで責任もて。

>>飼え。

「まじかぁ……、まぁいいか。家広すぎて、寂しいし」

>>MyTuberって、みんなペット飼い出すよね

「偏見ひどっ！？」

　いや確かに、動物の視聴率いいけどさ。

「有識者、情報求む。この子の犬種わかる人いる？　中型犬で、白の長毛種」

>>“ボーダー・コリー”に似てる。

「んー、名前の参考にしようと思ったが、無理そうだな」

>>ぽち

>>たま

>>しろ

「ははっ、いや真面目に考えれって」

>>白だし、雪とかから『スノー』は？

「スノーいいな！　綺麗だし」

　ワンワンッ！

「お、返事した！　じゃあお前はスノーだ」

　ワンッ！

　　　　◆　　　　◆

「スノーをダンジョンにつれていこうとおもう」

>>スノーを？

>>危なくない？

「俺の予想があってれば、テイム系のスキルが取れるんじゃないかと考えてる」

>>おぉ、テイマーになればいいのか

>>それなら、いうこと聞きそう

「まずスノーのお気に入りのジャーキーを用意する」

>>エサでつる草

「スノー」

　ワンッワンッ

「待て！」

　クゥンッ

「よし、食べていいよ」

　ワフッ

《テイマーを得ました》

「取れた！」

>>成功

>>これでスノーが、より指示に従うようになるか

「たぶんね。まだ、試してないけど」

>>何から試すの？

「まず、パワーレベリングに行きます！」

>>いきなり実践とか！

>>ハードル高すぎね？

>>で、相手の魔物は？

「ドラゴン！」

>>いきなり最強種

>>死ぬって

>>誰か止めろ

「いや待て。なにもスノーに、ドラゴンを倒させるんじゃない」

>>どうするの？

「まずドラゴンを拘束する。そしてスノーに、１撃あたえさせて、俺がドラゴンをしとめる」

>>攻撃無理じゃね？

「例えば人間をパワーレベリングするなら、石ころ投げさせて、１撃あたえさせるって感じ。スノーの場合、噛みつくか、引っかくかだな」

>>いけるか？

>>大丈夫そう？

「とりあえず、ドラゴンの部屋に移動しよう。スノー、行くぞ」

　ワンッワンッ！

>>頑張れスノー！

>>いったれスノー！

　俺はスノーをつれて、ドラゴンの部屋についた。

「バインド！」

　魔力の蔦で、ドラゴンを拘束した。

　暴れそうになるが、強い拘束で、ドラゴンは腹を地面につける。

「スノー」

　俺はスノーを優しくなでる。そして、スノーの瞳と目を合わす。

「大丈夫、俺が一緒にいる。怖くない、怖くない」

　ワフッ

「よし、スノー、行け！」

　ワンッ！

　全力疾走でドラゴンの顔まで走る。

「スノー、引っかき！」

　ワンッワンッ！

　ドラゴンの体は硬い。ダメージなんてないだろう。だが、もう十分。スノーは、よくやった。

「スノー、おいで」

　ワフッ！

「あとは俺に任せろ！」

　アイテムボックスから、定番の聖剣と魔剣コンビを出す。

　剣術スキルをとったことで、綺麗にドラゴンのクビを切り落とした。

「ふっ！」

「アラタ！　あちし、頑張った！　褒めて、褒めて！」

「えっ！？」

>>えっ！？

>>えっ！？

>>スノーが

「スノーが、喋った！？」

「アラタ！　なでなで、なでなでして！」

「おぉ、スノー、よく頑張ったな」

「あちし、怖くなかった。アラタいたから！」

>>可愛い

>>あちし呼び、癒やされる

「スノー、改めて、これからもよろしくな」

「うん、アラタ、一緒にいる！」