■005,『アラタ+ギルド登録してみた』

「さてさて、やってきました、商業ギルド」

>>なんで冒険者ギルド行かないの? いいんだけど。

>>普通、テンプレ的に冒険者登録だよな。


「討伐動画の反響が悪いから、戦い系は止めようと思って」

>>いや、あれは……。

>>みんなビビっただけだと思うよ?


「ありがとう、気を使ってくれて。でも大丈夫。めげずに動画投稿するから」

>>頑張れ!

>>応援してる。

>>アラタの好きなようにすればいい。俺たちは、それを見たいだけだ。

>>無理せんで、気楽に気楽に。


「それじゃ、行きますか」

 扉を開くと、広いエントランス。役所みたいに、カウンターがいくつもある。

 カウンターには、受付嬢さんたちが座っている。


「エルフじゃ……、エルフがおる……」

>>まっ!?

>>カメラ! カメラ!

>>駄目だ、アラタ放心してる。

>>ついに主にも、春か……。

「ば、ばぁろぅ、そんなんじゃないやい!」

>>ばぁろぅ草

>>笑

>>どこの探偵だよ。


「よし、受付に行くぞ!」

>>待て、エルフさんのとこかよ!?

>>早まるな、死ぬぞ!


「あ、あの、すみません! ギルドの登録をしたいのですが!」

「ふふっ、初めての方ですね。こちらの書類に、ご記入お願いします」

 くそ、声がうわずった。


 書類を受け取ってみると、名前や商会名、扱う商品の種類など記入するみたいだ。

「商品を複数取り扱う場合は、どうすればいいですか?」

「主に取り扱う商品の種類を2・3個くらいご記入いただければ大丈夫です」


 それじゃ、食品、雑貨、玩具っと。

「これでお願いします」

「承りました、アラタ・シンドウ様ですね。それではこちらのギルドカードをお受け取りください。お手続きは以上となります。他にご不明な点など、ありますでしょうか?」


「この街で一番大きな商会を教えて貰えませんか?」

「ん? エドガー商会さんですが、もしかして、これから伺うのですか?」

 エルフのお姉さんの表情が曇ってきた。

「はい、委託販売したくて」

「紹介状はありますか?」

「ないです……」

「失礼ですが、どなたかの紹介なしだと、大変厳しいかと……」

>>つて無しだと駄目か。

>>まぁ当然だよな。

「とりあえず、行くだけ行ってみます。ありがとうございました」


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