第8話 家族みんなでいれば…

「さて…貴方?どうして一人で勝手にあんな判断をしたのか…私達全員に納得出来る様に話してくれますよね?」



にっこり笑顔の桜さん…怒ってる…怒ってるやつだこれ…すっごく怖いやつだこれ…




「「「「パパさいてー」」」」



う"っ…子供達からの最低発言まで頂きました…泣ける…。




「くだらない意地とかプライドとかだったらもうパパの服と一緒に洗濯しないでってママに言うから。」



なっ!?

そんなっ!…俺の人生の目標がっ!!!



「あ!つばきちゃんそれいいね!じゃあ、あんはねーくだらないりゆうだったらぱぱといっしょにもうおふろはいらないっ!」



「あ、あんちゃん!じゃあ…えと…ぼくもそうする」



っ!?



「ふん。我が魂の闇が深まり、共鳴する魂はもはや存在しないだろう…。(訳:父さんなんかもう知らない!)」



っっっ!?




「そんなっ…みんなぁ…そんな事言わないでよぉ…パパ泣いちゃうよ!?

パパはただ…みんなを危険な目に合わせたくないだけなんだよぉ…。」




お前幾つだよ!いい歳したおっさんが気持ちわりぃなぁ…って言われそうなくらいべそべそしちゃってるけど仕方ないんだよ!

可愛い妻と子供達からのこの仕打ち…泣かずにして父親と言えるかー!!!



…悲しい…。





「それ。」



「え?」



「「「「「みんなだってそう思ってるの!」」」」」



「え?」



いやごめん…間抜けに2回も「え?」って言っちゃったけどさ…今何て…?




「「「「「私達だって!パパ(あなた)だけが自分達の為に危険な目に遭うのは絶対イヤだよ?」」」」」



…みんな…



「ぱぱぁ…かぞくはいつでもいっしょでしょ?いつもぱぱいってるでしょ?…ぱぱ…あんたちおいていっちゃうの…?」



杏ちゃん…パパの服裾クイからの涙目上目遣いは止めましょう。

可愛すぎてパパ尊死しちゃうから…。




「杏ちゃん…」




そうだよね。みんながみんなを大事に…大切に思ってるから…誰か1人でもみんなの為に犠牲になるなんて…それは確かに逆の立場だったら絶対許さない!



「…桜さん、椿ちゃん、蓮くん、陽くん、杏ちゃん…。パパが悪かった。ごめんなさい。

…みんなが大好きで、みんなが大切で…かけがえの無い家族だから…みんなを失うのが怖くて…パパ…暴走しちゃったね…。」



「…あなた…。」



「「「「パパっ!」」」」




「けど!…だからってみんなを危険な目に遭わせたくない気持ちは変わらない!…だから…だから…っ。」




本当にこの決断で後悔しないのか…やっぱりあの時に意地でもって…

でも…幾ら今未来の後悔を考えた所で…未来なんて分からないんだから…。



「ふふ。あなた?やらない後悔よりやって後悔!…ですよ?」



いたずらっぽい顔で桜さんが微笑む。



「…それに…もしもの時は私達で護ればいいじゃないですか?何が何でも…それが親ってものでしょう?」



「…うん。そうだね。」




「椿、蓮、陽、杏。」




改めて愛しい我が子達の名前を呼ぶ。




「パパとママに…お前達を守らせてくれ!」




「「「「もちろん!」」」」




嬉しそうな我が子達の声。


大丈夫…家族みんなでいれば…どんな困難だって乗り越えて行けるハズ…!



「ま、勿論ただ黙って守られるつもりはないからね?」



「フっ…我が秘められし闇の力が…解き放たれる時空ときが遂に…くくっ…(訳:どんな異世界チート能力あんだろ!?俺の異世界チート生活の始まりだぁ!わくわく!)」



「あんもねー?みんなまもるよー!だってね!あんおおきくなったらフリキュアになるから!まいしゅうにちようびみてるから!えんでぃんぐのだんすもおどれちゃうんだから!」



「…っ!ぼくだって…えと…がんばるからっ!れんくんみたいにじゅもん(ただの厨二病フレーズ)いっぱいとなえてまぞくがわるいヤツだったらやっつけるから!」



…どんな困難だって…


…どんな困難だって…






…大丈夫かな…これ…。

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