第12話
「ちょっと、どこまでついてくんのよ!」
「さっきも説明したが、キミの護衛は24時間体制で行われる」
「言ってることやばいって気づかない?これから家に帰るんですけど」
「そうか。では背後は任せてくれ。心配しなくてもいい。怪しい動きがあれば、すぐに対処する」
…怪しい動きなんてないっつーの
どうやら、家までついてくるみたいだった。
さすがに困るから親父に電話したんだけど、出なくて…
「言っておくけど、変なことしたらタダじゃおかないからね!」
「変なこととはなんだ」
「色々よ!」
…全く
何を言っても通じないから諦めた。
警察に行こうとも思ったが、親父が噛んでる以上、役に立ちそうはない。
何せ、現警視庁長官とはズブズブの関係だもん。
こんな田舎の警察なんて役に立たない。
っていうか、警察は何してんの??
こんなヤツ雇う前に、この町のセキュリティを強化すれば良いのに
青島駅に着き、私たちは宮崎市内へと向かう電車に乗った。
約30分の距離。
途中、加江田川を跨ぐ橋を渡って、運動公園のそばを走っていく。
凛は「木花」という駅で降りる。
私は、その次の次、「田吉」という駅で。
田吉駅は、宮崎空港のすぐそばの駅だ。
空港が近いため、周辺は航空法による開発規制で、住宅地・田園地帯となっていた。
駅からは、宮崎空港を発着する飛行機が見えた。
「家はどこにあるんだ?」
「さーて、どこでしょうかぇ」
彼のことは「デク」と呼ぶことにした。
木偶の坊の“デク”。
何言っても言うこと聞かないし、脳みそあんのかって言うくらい、トンチンカンなことばっかり言うから。
デクはつかず離れずの絶妙な距離で、私の後ろをついて歩いた。
はたから見たらただのストーカーだろう。
現にストーカーと同レベルの不快感を感じている。
本人は全く自分の行動を意に介していないようだった。
どういう神経だったら、こんな平然としてられるんだろうか。
そもそも家まで着いてきて、そのあとは…?
まさか、中に入ろうって言うんじゃないでしょうね。
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