第3話 私は詐欺のカモ
そんなある日、隆久さんに呼び出された。場所はお洒落な人気のカフェだった。大切な話があるというので、高鳴る胸を抑えて出かけた。前日にはエステに行きフェイシャルの施術をしてもらった。メイクもばっちりだ。ワンピースも新しいものを選んだ。
「梨乃ちゃん、来てくれてありがとう。実は今日は大切な話があるんだ」
このカフェは、他のテーブルとは距離があるので少し込み入った話もできるのが特徴の店だ。
「お話ってなんですか?」
「僕が投資コンサルタントの仕事をしていることは前に話したよね。でね、今日はすごくいい投資話があるんだ」
――えっ、投資話? なにそれ。
「梨乃ちゃんみたいな学生の子でも簡単に始められる資産運用なんだけど――」
内容は難しくてよくわからなかったけれど高配当の金融商品らしい。
告白されるかもしれないという淡い期待はここで
「とてもいい話だから梨乃ちゃんにも絶対にお勧めだよ」
「それって、損をしたりしないやつですか?」
「うん、それは大丈夫!」
隆久さんはにっこりと微笑んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます