罪を映す鏡 罰を決める木槌

@uwm54213

第1話

澤川清順はまるで予定調和のように恋人の鹿嶋凛を殺した。

 凛は澤川の無償の愛を裏切って他の男と駆け落ちしたのだった。

 澤川は戻ってきた凛を決して許そうとはしなかった。

 繋いだ縄のようにしつこく付き纏い、ある日

凛をナイフ🍴で惨殺した。

 澤川は捕まらずに三角館と呼ばれる北海道の最果てにある某国大使館の旧館に逃げ込んだ。

 旧館には1枚の大きな姿見が立て掛けてあった。

 澤川は自分の姿を鏡🪞🪞🪞に映した。

 しかし鏡には何も映らなかった。

 鏡🪞🪞🪞🪞🪞なのに、何も映らなかったのだ。

 澤川は行く当てのない孤児のように迷宮を彷徨った。

 澤川はある日鏡🪞に問いかけた。

 どうして、鏡🪞なのに何も映さないのか、と。

 鏡🪞🪞🪞がこう答えた。

「この世に真に映す価値のあるものなど何も存在しないからだ」

と。

「そんなことはないだろう。この世には映して後世に伝えなければならないようなことも多数存在するはずだ」

澤川がそう反論を試みた。

「それは錯覚でありていのいい誤解だ、映してみれば皆それらは似たような構成物質でできていて、考慮する意味さへ含有しはしない殆ど無意味なんだよ」

鏡🪞🪞の答えは単純明解だった。

「キミには物事を現象として映して事象を具現化するという義務と使命があるだろう?それらを皆、放棄する気か?」

澤川がそうたずねると、鏡🪞🪞🪞がマゼラン海峡のように深く沈黙🤐🤫🤐🤫🤐した。

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