第5話
その日、かず君は遅い時間になって現れた。
「茜ちゃん?」
既にベッドに入っていた私は、寝たふりをしてしまった。
心配そうな声で言いながら、部屋の中まで入って来た。
今更起きれないし、会いたいけど会いたくない。
ドキドキしながらギュッと眼を瞑っていたら、かず君がベッドの上に座った。
かず君が座った分だけ、ベッドが揺れる。
「お腹痛い?大丈夫?」
ムースを残した事を誰かに聞いたみたい。
かず君は、私のお腹が痛いんだと勘違いしていた。
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