炬燵の中の僕のつま先に当たるのは義妹のアレ

山親爺大将

第1話 つま先

 年の暮れ、僕に突然妹が出来た。


「前に話していた再婚に向けてな、先に一緒に暮らして慣れていこうと思うんだ」

 父親はそんな事を言う。

 素直に相手と少しでも早く一緒にいたいって言えば良いのに、恥ずかしいのかな。


「良いんじゃない別に」

「そうか、それでな先方の娘さんなんだが」


「え?  何それ聞いてない」

「あれ? 言ってなかったか?」


 あれ? じゃねぇよ。

 絶対わざとに言わなかっただろう。

 目線逸らすんじゃねぇよ。


 さらっと言えば聞き逃すとか無いから。


「で? 先方の娘さんがどうしたの?」

「年も近いし、一応お前が兄になるから、仲良くしてやってくれ」


 妹が出来るか! 一人っ子の僕が一番欲しかったのが妹だった。


 もっと小さい頃、友達の後ろを一生懸命突いてくる妹が健気で可愛くて羨ましかった。

 よし! 頑張って可愛がろう!

 ……

 ……

 ……

 そう思っていた時期が僕にもありました。




「ただいまぁ! さっむーい! 身体が冷えたぁ」

 僕が炬燵に入ってると、義妹の悠美がそう言いながら正面から足を滑りこませる。


 早生まれだから僕よりひとつ下の学年だけど、産まれた年で言えば一緒だ。


 ただ、150cm以下の小柄な体格とクリクリした大きな眼とちょっとあざとい行動がいかにも妹って感じで、しかも、テレビで出てるアイドルに余裕で顔面勝ってるし!

 可愛いすぎて、違和感なくお兄ちゃんが出来てる。


 って言いたいんだけど……ちょーっと義妹の行動に問題があるんだよなぁ。


「おかえりーって、何してるの?」

「ん? お兄の靴下脱がしてる」

 両足使って靴下脱がせるって器用だな。

 じゃなくて。


「靴下を脱がしてどうするの?」

「ん? こうする」

「うわ! 冷たいって!」

「お兄、わたしの足あっためてー」


「もう、しょうがないなぁ、でも足の先じゃすぐ冷たくなっちゃうから、あんまり温めてあげられないよ」

「冷えた足は私が温めてあげよう」

「ちょ、おい、足引っ張るなって」


「いいから、お兄は寝っ転がって! そんで足こっちによこして!」

「炬燵からはみ出るって!」


「出してるんだから良いの! はいクイズ! 今どこで温めてるでしょう!」

「ちょ! おまっ! どこに足入れてんだよ!」


「だからクイズだって、ヒントは……ん、ここだけちょっと固くなった」

「固くなったじゃねぇよ! ポッチを俺の足に擦りつけるなよ!」


「えー嫌なら足抜き出せばいいじゃん! しっかり私のに足押し付けたまんまじゃん」

「がっちりホールドしてるし、押し付けてるのそっちじゃねぇか」


「えー、男の力で抵抗されたら普通に無理だよー」

「そこまでして抵抗したら、お前拗ねるじゃん!」


「うん、拗ねる」

 くっそ、イチイチ可愛いんだよな! コイツ!


「で、お兄はこんな美少女の谷間に挟まれて嬉しくないの? しかも直だよ直!」

「嬉しいっちゃ嬉しいけど、妹だしなぁ」


「なに? 妹だから興奮しないって事?」

「まぁ、そんとこかなぁ」

「ほんとにぃ」

「本当だよ」

 嘘ですはい。

 興奮しそうなので、必死に落ち着かせてます。


「ふーん、じゃあ、第二問!」

「まだ続くのかよ」


「うん……」

「わ! おい! ちょっと待て! お前どこに入れようとしてる?」


「えーそれ言わせるるのぉ、お兄のエッチー」

「いやいや、言うだけでエッチな場所にお前が入れようとしてるのが問題だろ?」


「お兄、それは論点のすり替えだよ? お兄がエッチなのは間違ってない!」

「あれ? 俺論点すり替えた? いやいや、百歩譲ってエッチなのは認めるけど論点はすり替えてない」


「チッバレたか」


「とにかく、そこ入れるのはやめなさい」

「えーじゃあお兄が降参するなら止める」


「分かった降参」

「じゃあ、お兄の負けだから、私の言う事聞いて」


「一個だけだぞ」

「うん! ギュってしてちゅーして!」


「それって、二個じゃないか?」

「……一個……だよ?」


「あー分かった分かった、ほっぺたでいいか?」

「何言ってるの! ちゅーは口にするもんだよ!」


「先に言っておくが、舌は入れるなよ!」

「えー」


「えーじゃない、前にも言ったろ? 俺がほしいのは可愛い妹だって。

 妹のライン超えるなら、ちょっと俺も考えるぞ!」


「ぶー! わっかりましったぁ」


「じゃあ、来い!」

「お兄!」


「おい! 多い多い多い!」

「一回って言ってないもんねぇ」


 妹に対する許容範囲がどんどん過激になってきてる気がする。

 俺はいつまで我慢出来るかなぁ。


【後書き】

 お読み頂き、ありがとうございます。

 この作品はカクヨムコン参加作品です。

 カクヨムコンは星の獲得が非常に重要になりますので、少しでも入れて頂ければ作者は泣いて喜びます。

 長編も書いているので良ければ見てください!

 https://kakuyomu.jp/works/16818093081579462826


 この作品を『おもしろかった!』と少しでも思ってくださった方は↓の『☆☆☆』を『★★★』に評価して下さると本当に助かります。

 よろしくお願いします。


星いっぱい付いたら続き書きます。

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