第7話 違和感

 今日は「まゆ」に会いにいく。早々と仕事を終わらせて、お店に行く準備を整える。


 何を着ていこうか、、、40歳、仕事一筋、自分の為にしたことなんて、いつぶりだろう?

記憶がない、、なんだか考えると悲しくなってきた。一旦、思考を止めて、仕事帰り直行風で

スーツ姿にしよう、、うんうんこれで自然だ、

たぶん、、、


 さてさて、しょうもないコト言ってる間に

時間が近づいてきた。さて行きますか、、、


 とりあえずついた。店について、ボーイに指名を告げ席に座る。


 「まゆ」に会うのも一ヶ月ぶり、、、どんな顔して会えばいいんだろう、、、この感情がなんなのか、言葉では説明つかないこのモヤモヤした気持ちを確かめに来たのだ。


「さしぶり、しま!」

「来てくれて、ありがとう!」


 そっと、、まゆに目線を向ける。一瞬何かが、おかしいと反射的に感じた。顔は笑ってるが、闇が前より深くなっている。今はもう大丈夫だが、、なんだろう??


「どうしたの?しま?私のこと忘れた?」

 ちょっと不思議そうな顔でこっちを見ている。

「いやいや、考えコトしてただけ」

「さしぶり、まゆ」

 それから、たわいもない会話が続いた。


 前回はあまり見れていなかったが、あらためて「まゆ」を見てると、なかなか、かわいい!

年は25〜30ってところだ、目がぱっちりとしてて、茶髪ロングポニーテールが良く似合う。身長は145cm位で華奢な体がなんだか愛おしいそれとなんだか、初めて会った気がしない、遠い懐かしい感覚にとらわれる。


「しま…聞いてる?」

 おもわず、見とれていて会話が入ってこない

「ごめん、姫様」

「えっ…」

 はっとした、、何、無意識で言ってるんだ。

「違う違う姫様のように、かわいいなと思って」

 なんとか、その場を取り繕う

「なーんだ、そう言うこと」


 そして、なんだかんだ時間が過ぎ、お別れの時間になった。


「今日はありがとう、後でLINEするね」

「こちらこそ、ありがとう」


 楽しい時間が終わり、名残惜しいが、店をあとにした。


 結局、「まゆ」に対してのモヤモヤは謎が深まる一方だった。それにしても、なぜ「姫様」って言ったんだろう?心のどこかで、引っかかる。それにしても、可愛かったな、、、あかんあかん、現実を見ろ!こんな非モテデブが夢みちゃいかん。そう心に固く、よくわからん決意をする「しま」であった。


続く










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