第3話
「・・・」
僕にそんなことを言われてもどうしようもない。僕は決意したんだ。彼女が生きれば僕はそれでいい、と。
「お願いします!!」
それでも、僕はそれで良いのか?この生命を守らないといけないんじゃないか?と心の何処かから語りかけてくる。
(こんなとき、彼女だったら見捨てないんだろうな…)
「魔王様!!」
僕は、僕は・・・
「・・・はあ、わかったよ。なんとかする」
頷いた。
「あ、ありがとうございます!!」
この笑顔、僕はこの人たちの命を守っていかなくちゃ。彼女だったらそうしたように、僕もそうしなくちゃ。
「じゃあまずは人族に語りかけるか!」
「はい!」
できれば話し合いで済めば良いんだけどな、と僕は思った。
僕は魔法を使えるらしい。だからその魔法を使って人族の国の空に僕を映した。
『えー、マイクテストマイクテスト。んんっ。えーと、新しく魔王に就任した闇夜暗だ。できれば話し合いで済ませたいんだけど、こちらを攻めてくるのやめてくれない?こっちも生活ってもんがあるんだけど?ということで、できれば話し合いで済ませたい。ということで自己紹介終わり!』
放送が終わったら僕はドサッと椅子に座った。
「お疲れ様です、魔王様」
「ああ。でも、これで応じそうにはないんだよな…」
「そうですよね。人族はこうしてわたしたちが言っているのに攻めてきますから」
「まあそこは置いといて、この国の経済とか改善したいから教えて?」
「はい!!」
僕はこの国で、明治維新的なことを行った。いや、どちらかというと、大戦後に近い方だと思う。農地改革や、銀行の設置、街の整備、政治の主体、etc…
ただ、軍隊を持つことはどうしようもなかった。人族が攻めてくるんだから、そこは最低限の守りとして活かさないと。
僕は現代社会で知っていることや科学を教えた。
硫酸や塩酸、しまいにはニトログリセリンまで。いつしか核爆弾まで生み出しそうだ。まあそこは良いだろう。
魔族に税金というものを課せたが、やはり反発がおきた。説得をして、なんとか納得してもらった。この世界では消費税や所得税はなくしている。
こうして、魔族の国を豊かにしていった。
そしてついに、人族が攻めてきた。
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