第2話
『着いたぞ』
ここが異世界か・・・。でも、何か暗い。
『ようこそ、魔族の国、ジャヒルドへ』
「は!?」
ここは魔族の国!?俺がいて大丈夫なのか!?
『お主はこの国の
「まさか・・・薫が!?」
『そうだ。
「・・・なんで・・・」
『ん?』
「なんで彼女と戦わなくちゃいけないんだ!!だったら僕はこの国を捨てて出ていく!!」
『すまぬ。それはできぬ。この世界では、人族と魔族が敵対している。お前は魔族だ。人族のところへ行ったらどうなる?たちまち殺されてしまうぞ?』
「だったら自殺する!!」
『彼女がいるのにか?』
僕は一時停止し、語りかけるように行った。
「彼女は、彼女は優しいんだよ。彼女を
『・・・それでもお主と彼女は相容れぬ関係になったのじゃ』
「・・・このまますぐに死ぬよりかは彼女の手で死なせてもらうのも得策か…」
『まあ、とにかくこの魔族の国、ジャヒルドを治めろ』
「・・・」
『ふむ、知らぬふりか。まあ良い、お前はこの国の王、魔王になっているんだからな』
そう言うと、ジャヒデールは何処かに消えてしまった。
「・・・ふざけんなよ!!」
心の底から出てきた言葉を何処に当てればよいかわからず、色々なものに八つ当たりした。
「ま、魔王様?」
「ん?」
振り向いてみると、女性の魔族がいた。
(改めてみると、魔族らしい羽や角はあるが、姿は人間だな…)
「どうか、この国をお救いください!!」
「へ?」
何で人間の俺がこの国を救わないといけないんだ?
「今、この国は人間が私達を殺すせいで人口が急激に低下し、食料自給率が著しく下がっています!今は他の中立国からの野菜とかで生きながらえていますが、もうどうしようもありません!どうか、お救いください!!」
「・・・」
何で、僕は君たちを滅ぼす側だよ?何で僕に助けを求めるの?
「お願いします!!」
土下座をしているところから、光り輝くものが地面絵と吸い込まれていくように、落ちていった。それは、彼女の涙だ。今までの苦痛を耐え忍んできて、僕という
僕はそんな彼女を見て、共感と決意が混ざり合って、なんとも言えない環状になってしまった。
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