善の神を君が受け入れ、邪神を僕は受け入れてしまった。もう、君とは一緒に入れない。(短編風)

サスライワシKKG所属

短編風

第1話

僕達の両親は交通事故に遭った。親四人で旅行をしている最中にだ。



急に旅立ってしまった。



「ふええ〜ん」

となりで僕と同級生の女子が泣いている。

彼女は僕の幼名馴染だ。天光あまひかりかおるという。


僕の名前は闇雲やみぐもあんだ。

両親が名字からこう名付けたそうだ。

そして今は両親の葬儀の最中さなかだ。


両親の遺骨を炊飯器の中にいれる。


僕はもうこの場にいるのが嫌になりそうだ。もう目から涙も出せない。

僕の親が死んでしまった、そのことだけで心のなかに虚無感ができ、心がポッカリと空いてしまった。


僕達は、一緒に帰った。帰り道、僕達はずっと無言であった。

夕焼けから、夜に染まっていく時間帯は今の僕達にお似合いな空みたいだ。何もかもが暗く白く見える。周りが見えない。

「・・・ねえ」

「・・・ん?」

「これから私達、どうしよう・・・」

「・・・」


それはそうだ。僕達は高校生だが、高校に入れたのは両親のおかげだ。

(ついでに、薫のおかげでもあるんだけどな…)


僕は薫が好きだ。長い付き合いだから、というのもあるが、純粋に彼女に惚れてしまった。


彼女は優しい。どんな人でも手助けをする。


そんなところに僕は惹かれた。

そんな彼女が弱音を吐くということは、気が滅入っているのだろう。僕も同じだから。


「・・・一旦気持ちを整理しよう・・・」

「・・・うん・・・」


僕達はそれぞれの家に帰った。この家も、僕の両親がいなくなったことから何処かに売り出される。


『ならば異世界に来ないか?』

「!?何だこの声!?」


僕はついに狂ってしまったのかと思ってしまった。

『我はジャヒデール。神である。ソナタを異世界に連れて行ってやろう』


僕は少し考えた。

「・・・行く。だけど、彼女…薫子も連れて行ってくれ。」


『・・・わかった』

そう言うと、謎の声――ジャヒデールの声は一旦しなくなった。


『・・・彼女はもういない』

「は!?」


なんで、なんで、なんで。自殺したのか!?お願いだ生きてくれ!


慌てる僕にジャヒデールは言った。

『彼女もまた、別の世界へと旅立った。お前と同じ世界だ』


「ほっ…」

僕が落ち着いたと見てジャヒデールは言った。

『では行くぞ』


「・・・父さん母さん、行ってきます」

僕は玄関で、最後の挨拶をポツリと言った。

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