第6話 お仕事

平和な日常が続き、私は書庫の奥で本をパラパラと読んでいます。

『新聞の広告全集』なる本です。

この本は新聞広告だけを集めた極めて珍しいのです。

むむむ、魔導プリズムがこの値段!!!

よく見ると十年前の広告です。

魔導プリズムは映像を録画再生できる凄い物なのでお高い、私も欲しいのですが貧乏な旅人には手が出ません。

さて、お仕事の続きです。

大量の本を書庫の本棚に戻す作業です。

ふぅ~う。

この図書館の仕事は力仕事です。

「キキリさん、カウンターでゴロンの仕事に回ってもらえる?」

サリサ館長が書庫の奥に来て仕事を頼まれます。

「はい、この本を片づけてから……」

本当は直ぐにでもカウンターでゴロンの仕事に就きたいのですが。

そこは頼れるにゃんこ族の姿を見せなければ。

急いで書庫の仕事を終わらせます。

よーし、カウンターでゴロンの仕事だ。

私は黒猫の姿になり。

カウンターに向かいます。

「あー黒猫だ!!!」

途中で子供から歓声が飛びます。

「飼っていい?」

はい?私はにゃんこ族です、飼い猫ではありません。

「お嬢さん、私は飼い猫ではありませんよ」

「うわー喋った、この猫、にゃんこ族?」

「はい、にゃんこ族です」

幸福を呼ぶ、にゃんこ族はお子様の味方なのです。

こうして平和な日常が過ぎて行くのです。

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