第5話 解決編

 さて、さて、謎解きです。切り裂かれた本を並べてみます。


『地図で読み解く科学』

『おまじない大図鑑』

『人形の生き方』

『召喚術入門』


 これは子供向けの本ばかりです。ジュニアコーナーに大人一人で居たら目立ちます。


「サリサ館長、これは子供の事故的な事象かと」

「キキリさん何故そう思うのですか?」

「この『召喚術入門』に傷の付いたページは風の精霊の召喚です。つまり、風の精霊を誤って召喚していまい。ウインドカッターで切り裂いてしまったのでは?」

「ホント、平和的な考え方ね。普通、ジュニア書が切り裂かれてしまったら。安全の為にコーナーの閉鎖を思い浮かぶのに……」


 サリサ館長は呆れた様子でいます。


 そんな館長を見て、タイムさんが手をあげて話し始めます。


「サリサ館長、キキリさんに頼まれていた貸本履歴を調べたところ、この本たち全部を借りたのはマリーなる子供です」


……。


 サリサ館長は難しい顔をします。


「わかったわ。この場で館内にアナウンスしてみましょう」


 サリサ館長はマイクを取り出して喋り始めます。


『お呼び出しをします。マリーさん、マリーさん、中央カウンターまでおこしください』


そして……。


「ゴメンなさい、ゴメンなさい!!!ワザとでないの……」


 現れたのは小さな子供です。こうして、事件は解決しました。


 エッヘンなのです。にゃんこ族が幸福をもたらす民族なのを実証しました。


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