第4話 事件です。
にゃんこ族は幸福をもたらす民族として有名です。次第に私を目当てにするお客さんが増えてきました。それでメイド服なのかと納得します。流石、サリサ館長です。
そんな時に事件です。図書館の本の何冊かが切り裂かれる事件が起きました。犯人は刃物を図書館の中に持ち込んでの犯行です。
館長のサリサさんは選択を迫られました。お客さんの安全を考えて休館にするかです。
「館長、休館は嫌です」
タイムさんが館長に言い寄ります。
「私はにゃんこ族です。悪しき思いを退ける力があります」
私も館長に言います。
「確かににゃんこ族のキキリさんが居れば問題の拡大は起こらないでしょうね」
館長のサリサさんは私を信じて休館は避けられました。
さて、です。
私は書庫での作業がなくなり。黒猫の姿でカウンターでの見守りの仕事が発生しました。ただ、横になっているだけの作業ですが来客すべてに祝福と悪しき思いの退けを行ないます。
戦闘のできないにゃんこ族の生き方から生まれた特技です。
しかし、これが疲れる。
ここは昼食を沢山食べてエネルギー補給です。そして、今日のご飯はパンと川魚のムニエルです。
「よーし、食べるぞ!!!」
私はガツガツと昼食を食べます。
「うぐぐぐぐ」
パンが喉につまりかけた……。
水、水……。
タイムさんが心配そうに水を渡されます。
「ふ~う、生きて生還できました」
タイムさんはクスクスと笑います。
これだけ平和な日常で何故、本の切り裂き事件が起きたのでしょう?
私は小首を傾げます。
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