【キ】 大将との関係

【美香】 ⼤将さんとはどういう関係だったの? プライベートでのお付き合いはあった?


【百海】 うん、あったわ。お宅に上がらせていただいたり、いっしょに⾷事に出かけたり、カラオケに⾏ったり、夜通し公園のベンチで、缶コーヒー⽚⼿に、とことん語り合ったり。

 それで、プライベートも含めたお付き合いをさせていただくことで、今まで⾒えていなかったものが⾒えてきたのよね。


【美香】 ⾒えていなかったもの? それはいったい何?


【百海】 ⼤将は⾒えないところで、ほんとにたくさんの努⼒や苦労をしておられるのよね。だから、間近で⼤将が努力や苦労をなさっている様⼦を⾒させていただいていると、

「ああ、あたしも頑張らないと。」

 と思えたし、同時に、

「ああ、健常者だって同じ⼈間なんだし、あたしたちと《本質は》何も変わらないんだな。」

 って肌で感じたわ。


【美香】 そっか。健常者だからって、何も悩みも苦しみもないなんてことはないものね。


【百海】 そう。それを今更(いまさら)ながらに気づいたわけ。それに、むしろ、健常者のほうが苦しみはずっと⼤きい、くらいに思えたから、

「あたしらだけ被害者ぶるのはおかしいかも。」

 とも思ったわ。だからこそ、何があってもたいていのことは乗り越えてきたわ。


【美香】 そっか。百海ちゃんは、⼤将さんの⽣きざまから学んで、強くなったのね。


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