4日目
四日目。今日は宗教について考える。考えるも何も現地人から見て神と言えるのは私ぐらいしかいないし、半強制的に一神教じゃない? と思ってたんだけど、どうやらそうではないらしい。
三十二の世界のうち、半数ほどは多神教を取り入れていた。自分の部下となる神様を作り出して、権能をいくつかに分けて割り振るみたい。部下といっても自律型AIみたいな感じで、ある程度こうしてああしてって指示をあらかじめ出しておけば、自分である程度の管理、運営をしてくれるらしい。すごく便利。ただ成長していくから、そのうち自分の考えを持つようになって指示からかけ離れた行動をとるようになることもあるので、定期的なメンテナンスで思考ルーチンにズレがないかの修正は必要になるようだ。
そういうメンテをする手間がいるけど、一神教だと現地人、転生者の全ての嘆願が自分に来るので一つ一つの精査に時間がかかったり、同時多発的に予想外の出来事が起こっても、一つ一つ対処していくしかなくてどれかが手遅れになる、というのを防ぐことができるらしい。逆にその辺の処理に自信があれば、一神教でやっていったほうが自分が作りたい世界の完成度が高まるっぽい。私は正直そういった処理には自信がない。だってこれまでただのOLだったんだし、世界の運営なんて一人で出来るわけなくない?
というわけで多神教にすることにした。私は一応創世神という形で全ての神のトップになるようにした。名前? 名前いるの? じゃあ下の名前もじって創世神エリーゼで。あとはそうだな、太陽神ソーラと月の女神セレニアが普段の信仰の対象としよう。太陽神の権能は成長、繁栄。月の女神の権能は治癒と秩序。流石に二柱だけじゃ厳しいかな? じゃあ後は愛と美の女神のヴィーネには恋愛と美麗の権能を、闘神アレクには頑強と勝利の権能を、造神ファイスには生産と成功の権能を、それぞれ与えることにする。
名前は全部地球で逸話が残ってる神からもじった。一応農家や商家、医療関係者、女性、冒険者や軍事関係者、職人などがそれぞれ信仰できるように区分けしたつもり。それぞれに信仰対象になる人たちのことを見てもらい、日常的な嘆願と違うことをお願いされたり、日常生活でおかしな動きがあれば報告してもらうようにした。これで全部確認しなくて済むでしょ。とりあえず今日の業務は終了です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます