2日目

 二日目、今日は現地人の種族を決めようと思う。ナーロッパ系の世界を作っている人たちはどんな感じの種族を取り入れているんだろう、と資料をパラパラと捲る。


「いや、多いっ!」

 

 思わず叫んじゃった。

 多いところは割と細かく種族分類してて六十八種ほど、少ないところでも十種程度はいる。えぇ、異世界ってそんなに色んな種類が要るの……?

 

 資料読む限り普通の人間、エルフ、ドワーフ、妖精、獣人は必須項目かって感じどこも取り入れている。あと多いのは巨人、小人、精霊、魚人、人魚。魚人と人魚って同じじゃないの? あぁ、上が魚か下が魚かみたいな分け方なのか……。そのほかにもオーク、ゴブリン、ヴァンパイア、ラミア、アラクネなど魔族として纏めがちな種族をきっちり区分けしてたり、天使様を種族として存在させてたりと結構自由に種族分けしてるっぽい。えぇ、どうしよう結構大変だな。

 

とりあえず必須種族五種は入れるか。あとは準必須種族五種も入れておこう。最低限これだけいればナーロッパ系異世界っぽくなるよね。ヴァンパイアとかラミアとかもかっこいいんだけど、吸血等でどうしても悪いイメージが強くて現地人から討伐対象にされたりしそうなんだよね。入れるか悩む。


 一応他の世界ではそれらの種族の扱いってどうなんだろうって確認したら、基本は魔族として人と対立させてるところが多いみたい。共存してる世界も少なくないんだけど、どこも一度は対立して、そこから手を取り合うって展開になってしまうみたいだ。となると余計な争いは避けたいし入れるのやめておくべきかな。うーんけど入れたい、だってかっこいいし、美形のヴァンパイアって女子の憧れみたいなとこあるよね。一応要相談って書いてヴァンパイア、ラミア、アラクネ、リザードマン、サキュバス等を括弧書きしておく。


 とはいえ、これらの種族を入れなくても正直このままだと魚人、人魚、獣人なんかは差別対象になりそうで怖いんだよなぁ。差別は過去あったけど今は無くなったって設定にしておく? もしかしたら却下されるかもしれないけど一旦書いとくか。天使様に企画書出した時に相談しよ。主だった人種欄にメモ書き程度に記載して、今日の業務は終了しよう。

 

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