第4話 移動教室にて
「次は音楽室だっけ?」
「そうだよ。志乃音楽好きだよね。私は苦手だなー。」
「咲ちゃん意外と音痴だもんね。」
「お、志乃言うねえ。」
「さっきの仕返しですー!」
廊下を歩いていると、前から隣のクラスの子たちがやってきた。その中で私は麻里亜ちゃんを発見した。
「あ、麻里亜ちゃん!」
「志乃。」
麻里亜ちゃんも私に気づいてくれてヒラヒラと手を振ってくれた。そうだ、今日の放課後に本の点検一緒にしようって声をかけよう。
ナイスタイミングだよ麻里亜ちゃん。
「ごめん、咲ちゃん。先に音楽室行ってて。」
「はいはい。遅れないようにね。」
「うん。」
私は麻里亜ちゃんに駆け寄った。
「麻里亜ちゃん!今日の放課後って空いてるかな?」
「今日?」
「うん。昨日図書委員会の点検作業が終わらなくて、今日二人でやれば早く片付くかなって思ったんだけど。どうかな?」
「今日は…。」
麻里亜ちゃんは人差し指をトントンと唇に当てながら視線を上げた。
脳内で予定確認中といったところだろう。
「うん、大丈夫だよ。昨日は任せっきりにしちゃってごめんね。」
「良かった!じゃあ、今日の放課後図書室で!」
「了解。」
「じゃあ、また放課後に!」
ちょうどよく予鈴が鳴った。
まずい、授業が始まってしまう。
麻里亜ちゃんに軽く手を振って私は音楽室へ向かった。
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