第3話 このカラダって意外と便利なんですか!?
私は今臭くて液状の何かになっています。どうしてこうなったのかはわからないけど…とりあえず元に戻りたいです…。
「このまま液体は嫌だなぁ…『元に戻りたい』よぉ…」
すると液体が集まって来て少しずつ私のカラダの形になり戻りました。ついでに服も一緒に戻りました。これもカラダの一部なのでしょうか?
先程までのことを考えてみます……臭くなる前や液体になる前に自分の口からそうであるようなことを言っていたような…?
試しにやってみようと思います。
「私は『甘い香りがします』!」
ぶぅぅぅぅぅぅぅん!!
と大量の虫が私の周りにまとわりついて来ました。正直気持ち悪い。猛毒のカラダであるせいかぽとり…ぽとり…と虫がカラダから落ちて来ます。流石に可哀想だと思ったので
「私は『甘くないし危ない香り』です!」
そう叫ぶと虫たちは一目散に逃げて行きました。死んじゃった虫さん、ごめんね…。
やり方はだいたいわかりました。私が猛毒のカラダである事は変わりはないですが、私がどんなカラダかを口で宣言すれば変化するという事ですね。つまりは…
「私のカラダは『ゼリーのようなプルプルした形』です」
するとカラダが柔らかくなって半透明な大きなゼリーになりました。色は緑色で跳ねてみると弾力性があります。これなら襲われないのではと跳ねながら進んでみます。
「はぁ…はぁ…疲れた…」
跳ねながらの移動はなかなか体力が要るものだとわかりました。
「『元の姿に…戻りたい』」
と言って元に戻りました。ゼリーの使い道…どこで使えばいいんだろう?
ぐぅ〜…
そういえば何も食べてなかったです。ジャングルに美味しい食べ物あるかな…。私は草木の中に進みました。
食材探し中に洞窟を見つけました。中には誰かが使っていた痕跡があり焚き火の跡もありました。しばらくここで過ごせそうかな?
再び食材探し、途中でキノコがいっぱいある場所を見つけました。色も形も様々で虹色のキノコがキャンディーみたいで美味しそうと思いました。…でももしも猛毒体質で耐えられたとしても味が不味かったらどうしようと思いました。そこで私は閃きました。
虹色のキノコに指先で触りながら
「この毒で『甘くて美味しい味』に変われ」
指先から液体が流れてキノコに染み付きました。効果があるか食べてみると…本当にキャンディーのような味で噛めば噛むほど口の中に広がるような甘さでした。副作用はなくこの方法なら食料に問題は無いと思います。
「あとは…飲み物ですね!」
次に私は生きるのに欠かせない水探しを始めます。水も猛毒に変わっちゃうのかな…大丈夫かな…?
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