第2話 ジャングルの中って大丈夫なんですか!?
私は暗いジャングルの中に入ってみました。見たことのない草木があって中には変な植物もありました。なんて植物でしたっけ…ぱかーっと開いてて中に入るとガブっとするの…。記憶が無くなる前の私だったらわかるのかな。
ギジッジジジジッジ…
ゲアッグ、ゲアッグ…
キュルルルルルル…
動物の鳴き声がします。鳥とカエルと…なんだろう?
シュルルルル
「きゃっ!?」
目の前に大きな蛇が出て来ました。私を…食べるつもりでしょうか?
「私は…美味しくないですよ!」
私は身体中に汗をかいてしまうほど硬直状態でした。カエルになった気分です。…しばらく見つめ合うと何事も無かったかのように蛇は草木の中に入って行きました。
「このジャングル…大丈夫なんでしょうか…」
しかし、今の私に行くところがないのでこのまま進んできました。道中変わった香りがする大きな花を見つけました。周りに虫たちがわらわらと集まっていました。美味しいのかな?
ガウッガウガウッ!!
「ひゃっ!?」
いきなり吠えられました。振り向くと背中にキノコが生えた大きな狼が4匹、私を見ています。
グルルルルル…ガウガウッ!!
蛇とは違い明らかに私を食べようと狙っているのがわかります。もう一度美味しくないアピールをしなきゃ!
「私は食べても美味しくはないです!!」
それでも狼はゆっくりと近づいて来ました。涎を垂らしながら美味しそうな表情で…。
他に手はないのか…猛毒であるアピールと…あの花と違って臭いアピールをしちゃえば…。
「私のカラダは猛毒ですし、『とてつもなく臭い』です!食べないでください」
近づいて来た狼がすんすん…と鼻を嗅いでました。
「キャインキャインッ!?」
嗅いだ狼は何度も鼻を掻きながら逃げ出しました。他の狼もびっくりした顔で走るように逃げ出しました。それだけではなく、草木からガサガサと何かが逃げ出したり、鳥たちがパニックを起こしたかのように飛び出したり、近くにある大きな花にいた虫たちが1匹もいなくなったのです。
「どうして?…まさか…」
私自身を嗅いでみました……今まで嗅いだことないというかいろんな物が混じってよくわからないというか…私は猛毒体質なので気付いてないだけなのかもしれませんがこう考えられます。
「私って…とんでもなく臭いカラダだったんですか…!?」
女の子にとって臭すぎて離れられるのは正直ショックを受けます…猛毒のカラダで臭いってやばいですよね…。私はその場で膝から崩れ落ちました。
「ああ…なんか…『溶けて液体になりたい』気分です…」
私は木と空を見上げながらぼーっとしていました。でもなぜか少しずつ離れていっている気がしました。周りを見ると目線がさっきと違い足元ぐらいまで下がっていました。
「え、これって」
私のカラダを見ると着ていた服ごと溶けて液体になっていました。今は顔だけが原型を保っていて液体のお化けのような状態です。
「どういう仕組みなんですかこれ!?」
私は1人、ジャングルの中で困惑しています。
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