第二話
卒業式の日。
「いやぁ、全然体調崩れなかったね!むしろどんどん元気になってくる!」
「ならよかった」
「やっぱり神様は見ててくれたんだ!」
「そうだな」
こんな感じで元気な様子を見せる華恋を見て、俺は安堵する。まあ、何はともあれ、華恋の昔からの願いが叶いそうでよかった。
数時間後。
「はーい!2人とも!とるよー!はい、チーズ!」
そんな華恋のお母さんの掛け声で2人で写真を撮る。これで、華恋の願いの一つが叶ったと思うと嬉しいな。あんな諦めかけてた先月が懐かしい。
「じゃあ、このあと一緒にご飯食べちゃう?」
「いや、大丈夫です。今日は自分でゆっくりピザでも頼んで好きに過ごそうと思ってもう支度しちゃってるので」
「そっか、じゃあゆっくり休んでね?」
「はい、ありがとうございました」
そう華恋のお母さんから誘われるけど、行くわけにはいかないので断る。
「じゃあな、華恋?ありがとな」
「うん!バイバイ!またね!」
華恋のその言葉に俺は笑みで返す。そしてゆっくりといつもは早歩きで帰る道を通り、家に帰る。
帰宅後。
ゴホッ、ゴホッ。
俺は自分の部屋で血を吐いていた。
「これはもういよいよやばいな。まあ、でも華恋の最後に嬉しそうな顔が見れたからよかったとするか」
これが神に華恋の願いを叶えてもらえるよう頼んだ代償だったら安いもんだ。あいつの嬉しそうな顔も見れたしな。
そんなことを思いつつ、俺はゆっくりとベットに登り眠りについた。
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