第8話 大罪の征服者
うぁ……寝てた? というか身体が痛ぇ……
記憶にある限りだと【怠惰ノ幼龍】を進化先に選んで進化した途端、唐突に眠気に襲われて寝てしまったはずなんだけれども、もしかして怠惰の効果だろうか?
身体は特に問題ない。何故か全身が酷い筋肉痛を起こしてるみたいに痛くはあるけれども、身体自体は普通に動かせるし大丈夫そう?
あと見た感じで分かるのは体色が変わったくらい? こう、表現が難しいけれども淡い水色……みたいな感じになっている。例えるなら前世のゲームであった睡眠ガスの色だな。
まぁ、確認するならステータスを見た方が速いかな。それに、身体の表面に浮かんでる赤黒い線も気になるしね。
▲▽▲
【種族:大罪ノ幼龍】
名前:『未設定』
レベル:40/65
体力:93/124
魔力:178/204
攻撃力:142
防御力:173
魔法防御力:666
【スキル】
鑑定 言語翻訳 取得経験値量増加 氷ブレスlv2
爪牙技lv6 鱗強化lv8 大罪ノ権能lv5
【耐性】
氷耐性lv4 物理耐性lv3 魔法耐性lv1 精神耐性lv5
【称号】
異世界の魂 突然変異 大罪の征服者Ⅱ
▲▽▲
うーん、とりあえず進化はしっかりと終わってるし、強くなってるのも分かるんだけど……種族名が【大罪ノ幼龍】になってる。
俺が選んだのは【怠惰ノ幼龍】だったはずだけれど、何故別の種族になっているんだろうか? まぁ、鑑定すれば分かるかな?
【大罪ノ幼龍】
大罪の権能を幼龍でありながらも複数種征服したことによって変異した種族。
複数種の大罪の能力を扱い、小さな集落程度なら滅ぼせてしまうほどに強力な存在となっている。
しかし、幼龍であるが故に大罪の能力の制御がまだおぼついていない。
なる、ほど……? どうやら俺は怠惰だけじゃなくて他の大罪も制したらしい。なんの大罪を制したのかも分からないし、そもそも何処からその大罪が出てきたのかも分からない。
……多分称号の【幼き放逐者】だとは思うけど。だってその称号が消えてるわけだし。
称号の【大罪の征服者】って言うのを鑑定すれば分かるのだろうか?
【大罪の征服者】
自身を侵さんとする大罪を抑え込み、自身が扱う力として征服した者に送られる称号。
征服した大罪の扱えるようにはなったが、完全な支配は出来てはいない。
『征服した大罪:怠惰・嫉妬』
制した──鑑定結果的に言い換えるなら征服した大罪は怠惰と嫉妬らしい。
嫉妬……嫉妬か。なるほど、確かに【幼き放逐者】が大罪となったら嫉妬になってもおかしくはない。
自身が親から見放されたにも関わらず、もし誰かの幸せな家庭を見てしまえば、嫉妬するのは当然と言うか何というか……むしろ嫉妬しない方が難しそうとも言える。
俺の場合はそもそも前世の記憶があったからそこまで嫉妬もないけれどもね。
ただ、使える能力が増えたなら割とマジで助かる。生き残れる確率が上がるのならばそれに越したことはないのだから。
そんな能力を把握するためにも【大罪の権能】って言うスキルを鑑定してみる。
これが今回の進化の目玉かつ、多分今後も非常にお世話になるだろうスキルだと思うし、しっかりと把握しておかないとね。
【大罪ノ権能】
征服、または掌握した大罪の能力を権能として扱うスキル。
『征服した大罪:怠惰・嫉妬』
【怠惰ノ権能】
怠惰の能力を扱う権能。エフェクトは霧。
対象の戦意を『状態異常:怠惰』によって削ぎ、無力化させたり、怠惰の霧を生成する事によって辺り一帯を支配する事にが出来る。
自身からは動かずに相手を無力化する事に非常に特化している。
また、対象が『大罪の征服者/掌握者』である場合は怠惰の付与と同時に体力超速回復と身体の超再生が付与される。
(他にも複数利用方法有り)
【嫉妬ノ権能】
嫉妬の能力を扱う権能。エフェクトは雷。
対象の持っているスキルを模倣し、使用する事が可能。スキルレベルは権能スキルが参照される。
また、『状態異常:嫉妬』を付与する事が出来、多少でも知能がある場合は嫉妬による憎しみを増幅させる事によって同士討ちを誘発させる。
(他にも複数利用方法有り)
うーん、見てみた感じだと相当に能力の数が多い。
もっと詳しく見れるらしく、鑑定して見ているけれども……怠惰の権能とかだとステータスの偽装とか、嫉妬の権能だと姿纏いって言うかなり無理矢理な感じで見た目を元の種族を超えて変えることが出来るらしい。
取り敢えず試しに自身に怠惰を付与してみると、身体が気怠く感じると共に筋肉痛みたいな痛みがすーっと引いて行った。
ステータスを見ても、若干削れてた体力が回復しているしこれはかなり便利かもしれない……現状回復手段が全くなかったからね。
ある程度回復して、動くのに問題ない程度になったから怠惰を解除する。
……うん、気怠さもすぐ引いていくから使い勝手も結構良いね。これほどの能力があるならそろそろこの巣の外に出ても大丈夫かもしれない。
そう思いながらも巣の外へと視線を向ける。
相変わらず生物の気配が無い森だけども、油断は禁物。あのスライムみたいに
直ぐ倒せる相手しか居ないとは限らないのだから……
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