第六話 経穴

「舞い疲れたのであろう。どれ、足を揉んでやろうか」


「そんな、大丈夫でございます。誠に有難いことに、ここで少し横になりさえすれば若干で回復します故、ご迷惑はおかけ致しません」


「迷惑だなんて、我が主をここへ招いたのだ。気にせずにゆっくりと休まれるといい。どれ、貸しなさい」


 王様はそう言って、寝ているエラの足元へ座り自分の膝の上へと両足を持って来る。


「ああ!いけません、そんな・・・・・・」


 王様は刺繍された金蓮靴を脱がせると、纏足である足を見て先ずは驚きます。


「・・・申し訳ございません、これは・・・・・・」


「・・・よい、知っておる。やはりお主は漢の者・・・我はどれほどこれを待ちわびたことか・・・・・・」


 王様の驚きは変形した纏足を見たことではなく、感動と歓喜からの衝撃だったのです。

 思わず、むしゃぶるように纏足に頬ずりしその臭いを明一杯、鼻から吸い込んでいく。

 そして宣言通りふくらはぎから太腿へとマッサージを行っていった。


「ああ・・・ありがとうございます。今度はわたくしめがマッサージをさせて下さいませ」


 エラは半ば強引に王様から纏足を取り上げると、それを人参を追いかけるロバのように追随し床へと寝転ぶ。そのままエラは上位マウントを征し、王様の身体を揉み解していく。


 恍惚なるロバを俯せに寝かせると、エラはその王様の背中の上へと立ち上がり、腰や肩を纏足で踏みつけながら「踩背」を施術していった。


 王様は突然、仰向けになると召し物をどんどんと脱ぎ捨てていき、一糸纏わぬ姿を晒してきます。

 下腹部のモノは何もしていないにも関わらず、もうはち切れんばかりに肥大化していてエラはそれを待っていたかのように『つま先』で優しく撫でていきました。


「・・・ああ」


 王様は恍惚な表情と声を漏らし、もうエラの成すがままの状態へと落ちていく。

 纏足の『つま先』は親指だけの状態で、他の指は足裏へ折りたたまれているのでまるで鋭利に尖った蹄のように見える。その先端である親指を巧みに使うことも訓練されていて、指圧から繊細な施術までお手の物である。

 東洋医学である経穴けいけつ(ツボ)にも精通していて、大赫、関元、中極、へと纏足で指圧していき、陰部を撫でながら「会陰」のツボを押さえることにより、王様はあっという間にその技術で絶頂へと誘われてった。



 その夜の演舞は、朝まで続くのである・・・・・・

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