②ある日の陽気
ある日の陽気
私は起きた。朝だった。
雨だ。終わり。外は出れない。
朝の目覚めが終わる。
「朝は食べる?」
彼女が言う。誰かと思ったら、昨日抱いた女だ。
後ろから、突いてやった。続いてた。
彼女は喘いでいた。
「長ければいいってもんじゃないよ!」
彼女は怒っているが、私にはわからない。
表情は赤かった。
「食べるよ」
長い回想の後、私は返事をした。
窓から外を見上げると、宙にUFOが浮いている。小さい。
「おもちゃ?」
私は買った覚えがない。
ブォォォォォ―――――ン‼‼
エンジン音が大きくうなり、響く。
宙に浮いて動き出すUFO。
音が気に障る。
触ろうとしたら、避けられた。
動物の様だ。
それでもやってきて、様子を見てくる。
「誰が動かしている?」
再び触れると、ブォォォォーーーーン‼
今度はうねりを上げて、突撃してくる。
その瞬間に私はUFOを捕まえた。
「どこにスイッチが?」
スイッチを探していると、スイッチはない。
ジッパーがあるだけ。
ズビーーーーン‼
ジッパーを開くと、猫が出てきた。
「わぁ!」
私は驚いた。生き物が入っているとは思わなかったから。
「ニャー!」
鳴き声、あげて、UFOから飛び出した。
飛び出すとどこかに消えて行った。
「朝よ―!」
彼女の声がしたので、部屋を出て、食卓の部屋へ行く。
そこにネコがいた。彼女は猫のようだ。
朝起きた時に見た女性の服が横に見える。
食卓には人間があり、丸焼きになっている。
「ウニャニャニュニャ! どうする?」
「え?」
「どうやって食べるかよ!」
ネコの彼女は言う。
私の顔がゆがんだ。
そういえば私も猫だった。人の皮の手の脇をジッパーを開くと、猫の私がいた。
人の皮と人の服を着ていたのだ。
「丸焼きを切って、取り皿で分けよう」
「いいわよ!」
彼女は手際よく、肉を分けていく。
「さぁ、食べましょう」
彼女はにこやかにほほ笑む。
「うん」
私はうなずくと、彼女と食事を始めた。
今日は雨だが、どこか陽気な朝だ。
オムニバス @sakanatus1
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