第4話 もうお婿にいけない
——同棲生活4日目 某日木曜日 6:00——
「うぅん……そうだ、この時間起きるようになったんだ」
アラームで目を覚まし、ソファベッドから起き上がった僕は伸びをする。
お互いに名前を呼びあうことに会ったあの日から二日たって僕は同棲生活にも慣れて来た。
買い物で遠くに行くと困るということで、ネットスーパーで宅配してもらうことになる。
貧乏性の僕はやめようといったが、まりあさんが「金ならある。任せろ」と男らしくゴールドカードを見せてくれたので、遠慮なく頼むことにした。
「朝のシャワーを今のうちに浴びよう」
僕がシャワーに行っている間に何かがあるとまりあさんの様子がみれないことからシャワーの時間は朝にした。
こうして、僕らの生活がお互いの事情に配慮したものへと変わっていき、それが普通になってくる。
「朝ごはんはどうしようかな……」
料理は僕が担当……というかそうじゃないとまりあさんは適当なものを食べるor食べないという究極の二択をやるので僕が管理しなくてはいけなかった。
大学も含めて一人暮らしが長かったし、力仕事が苦手なぶん細かい作業の方が得意でもある。
シャワーを浴びながらいろいろ考えていると、ガタンと物音がした。
「今の音なに!? まりあさんの身に何が!」
僕は急いでシャワーを止めて、
「おは……ょぅ……」
壁に手をつきながら起き上がったまりあさんが僕の方をみると、挨拶がだんだん小さくなり視線を背ける。
何かと思って自分の方を見ると、全裸だった。
「うわっ! あの、そのっ、つ、つまらないものを見せてすみません!?」
「え、あ、う、む……いいから、服か、タオルでかくし、て……」
真っ赤な顔を隠しながら、か細い声をあげるまりあさんにグッときたけどすぐに僕は脱衣所に戻って着替えるのだった。
——某日木曜日 7:00——
「ま、まぁ……おとこのひとが、うん、あさ……ね」
「まりあさん、それ以上はいいですからご飯食べましょう」
作りたいものがあった気がするけど全部吹き飛んでしまったので、僕らは予備で買っておいた乾燥フルーツの入ったシリアルを食べている。
何か僕に対して言おうとするまりあさんを静止して、食べる。食べる。食べる。
味なんか半分しないが、もうどうでもよかった。
「食後のコーヒー淹れますね」
「ああ、頼む。今日は朝から会議だから、スグに部屋へ持ってきて欲しい」
「わかりました。足の痛みはどうですか?」
「だいぶ良くなっているな。今朝も少し歩けそうだと思って歩いていたか……ら……」
そこまで言いかけてクールな仕事モードだったまりあさんの顔が真っ赤になっていく。
ヤブヘビだった。
これは僕が悪い。
「ごめんなさい、スグにコーヒー淹れていきます!」
僕は二人分のコーヒーを入れて、仕事の準備に入るのだった。
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読んでくださりありがとうございました。
キャー、まりあさんのえっちー!
ラブコメカテゴリーなので、こういうイベントを書きたくなりました。
悔いはありません。
↓カクコン10参加作品まとめ↓長編もあり。
https://kakuyomu.jp/users/masato_tachibana/collections/16818093090845723952
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