第2話 同棲生活のはじまり
——同棲生活2日目 某日火曜日 朝7:00——
ピピピピとスマホの目覚ましアラームと共に僕は目を覚ました。
「アレ!? ここ、どこ!? あ……そうだ、主任の家で暮らすことになったんだった……」
昨日の夜から始まった同棲生活だけれども、今日から朝ごはんなどいろいろやるのが僕の仕事となる。
「お風呂に着替え……ああっ、もう! この調子じゃ僕がもたないよ」
昨日に起きた出来事を思い返せば顔だけでなく体が熱っぽくなってきた。
ソファーの近くにあるチェストへ置いてあった眼鏡をかけて、僕はキッチンへ向かう。
だが、足元の何かに躓いてよろめいた。
「ああ、足の踏み場がっ!? これは……ぶ、ブラじゃぁ……」
大神主任の豊満な胸を抑えている大きな二つのお椀の様なものが付いたブラジャーを持ち上げた僕はちょっとだけ呆ける。
いやいや、今はそんなことをしている場合じゃない!
「洗濯物に郵便物に……あと、飲み終わったビールの空き缶? もう、まずは掃除からだ!」
仕事の開始は8:00からで、終わりは17:00なのでまだ時間はある。
作業スペースを確保するためにもまずはリビングとキッチンは綺麗にしなくちゃいけなかった。
昨日もシャワーに連れていくのだって、大変だったので、綺麗にする暇はなかったんだよね。
「ああ、そうじゃないって! 急いで片付けじゃなきゃ。主任は何時に起きるんだっけ?」
最低限ゴミだけでもと、僕は急いでゴミ袋を広げて中に空き缶とお弁当やサンドイッチのゴミなんかを分別しながら捨てていた。
掃除機もあるかどうかわからないし、綺麗にするのは仕事が終わってからスーパーに買い出しにいった時にでもいろいろ買い込まなくちゃいけない。
僕は必要そうなものをリストアップしていると、主任の寝室から「ジリリリリ」という大きな目覚ましの音が聞こえて来た。
「あ、主任を起こしに行かなきゃ!」
僕がゴミを片付けて少しは足の踏み場があるところを進んで主任の寝室のドアを開ける。
そこにはパジャマの上を脱いで、下着姿になっている主任がいた。
「ああぁ!? ご、ごめんなさい!」
「なんだ、私の下着姿なんて昨日みたはずだろ? 今更驚くことでもないだろうに」
慌ててドアを閉めたが、ドアを奥から主任のいつも通りのクールな声が聞こえてくる。
僕が一人だけ慌てているで不公平な気がした。
「もうすぐ仕事ですけど、そちらの部屋でやりますか?」
「そうだな、一緒にやった方が効率はいい。しかし、同棲しているというのがバレたらいろいろと大変だ」
「ですよねぇ……」
僕もたまたまテレワークだったからよかったけれど、本来なら同棲するのはあり得ないことである。
社内恋愛を禁止している会社ではないけれども、大神主任の立場を考えるとトラブルの素になるのはわかった。
「プライベート空間と仕事部屋は分ける主義だが、ここは仕方ないな。先に業務を始めている……コーヒーだけ入れてくれ」
「わかりました!」
僕はドア越しではあるものの主任と近くで仕事ができることにちょっと気分が高鳴り始める。
汚い部屋も何のそのだ!
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読んでくださりありがとうございました。
意外とこういうオフィスラブものは書きやすいんだなと新しい発見ができました。
PS:すき焼きのためにこちらも短期連載と思っていましたが、すき焼きは長編のみだったことに気づき、ちょっとショックを受けています。
ただ、せっかくはじめましたのでこの作品はラストまで走り切ります!
↓カクコン10参加作品まとめ↓長編もあり。
https://kakuyomu.jp/users/masato_tachibana/collections/16818093090845723952
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