第2話 神様の審判

 大企業令嬢の一条美香、見事な黒いロングヘア―の23歳、二葉麗美、会社専務の娘で名門の母を持つ、ショートカットの似合う、やはり23歳、米国の提携先社長令嬢ぐグラシア・トーレス、見事な金髪のやっぱり23歳、そして有能な秘書四星輝美、ロングだが髪をまとめている、彼女だけは俺と同い年の27歳。皆、割と長身で、知的で、容姿端麗、ただし巨乳ではない、の美人だ。みんなそれぞれ違うが美人である。肌の艶も、乳房や尻の形も弾力も全く違うが、素晴らしいものだ、と弟の克也が絶賛している。絶賛して、そのイチモツをぶち込み、かき回している。みんな、名器らしい、少なくとも弟の克也は絶賛している。女達は、艶めかしく腰を動かし、快感に身悶え、愛液を溢れ返している。彼と彼女らが快感を享受しているのが、その熱さ、臭いが目の前に浮かんでいる情景から感じられるのだった。その情景はスクリーン投影されているものでも、画面に映し出されている者でもなく、フォログラフでもないが、目の前に彼らがいるわけではないことは、何故かはっきりと理解できた。


「さあさあ、いつまでいやらしい情景に目を奪られているのかね?この好色屑野郎。」

と男神が声をかけた。

 目を向けるなとは言っても、体が動かないところに、目の前にそれがあるのだからしかたがないのだが、

「君は僕のせいだろうと悪態をついたね。神への冒涜。これだけでも、重罪だけど、寛大な僕は赦してあげるね。君の罪状を聞き給え。」

と男神は延々と彼の対する断罪の理由、彼の罪をあげた。

「まあ、前世からも上げられるけどね、寛大な僕は君のたった27年間だけの罪だけで許してあげるんだ、感謝したまえ。あん?自分も虐めを受けた?そんなことは減刑の対象にならないよ。虐めを自分が受けたのに、他人がいじめを受けている時に身を犠牲にして助けようとしなかったことは、さらなる重罪になるんだよ。自分が虐めをしたわけではない?傍観者というのも重罪だよ、許されない。虐めをした連中は裁かれるのか?君はいつもそうだ。他人が裁かれないなら、自分も、なんて言い逃れする。その態度も重罪だよ。確かにそうかも、と思ったようだね。そういう風に反省したふりをする、それも重罪さ。それは問題にしてあげないで、あ、げ、る。この2年弱苦しい日々を過ごしたって?そんなもの雀の涙にもならないよ。君の罪はね、その何千倍も苦しまなければ多少とも償ったとは言えないんだよ。あんまりだって?そのくらいのことでって?そういう、罪を自覚しないところが、また、重罪なんだよ。とは言え、君はこの世界で死んでしまった。生き返らせるわけにはいかないし、君の罪を償わせるにはこの世界では不十分だから、君を異世界に転移させる。魔法の使える世界だ。でもね、チートスキルなんか期待しないように。いや、ある意味チートを与えてあげよう、逆の意味で。」

と妖しく彼は笑い出した。

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