第3話

「とーちゃん、だいじょうぶ?」

「はぁ……はぁ……い、いきが……きっつい……み、みず……」

「あーさん、ダンジョンじゃないと体力ないよねー。ほい、水」

「あ、ありがてぇ……ぷはっ!生き返るわー。これ聖水?スッキリしたわー」


水が最高です!

リレーマラソンが終わって父兄席です。

横にはちりちゃんがついてます。

結果としては白組の勝利。

赤組は子ども達が善戦したけど大人組がタッチの差で負けました……

けど最後、俺とロクの勝負は全く話になりません。

だって力入れたら地面割れちゃうんだもんー。

ダンジョンならまだしも小学校のグラウンド割るのはまずいから軽めに足に力を入れたらロクがスタートダッシュ決めててあっという間だったもんね。

縮地だっけ?ランファから教えてもらった移動法で無理やり追いつこうかと思ったけど瞬間移動になりそうだし、それで走ってないからアウト!って言われてもなーってことで普通に走りました。

……魔力強化もなしで走ったのいつ以来だろう。

イテテ……既に足つりそう。


「地面の崩壊が怖いなら再生魔法とかブッパしながら走ればいいのに」

「……さすがにそれはチート過ぎない?運動会でやっちゃダメだろ」

「え?そうなの?普通にやっちゃったよ」


てへぺろ!って顔でこっちを見るロク。

……ちくせう、通りでロケットスタートきれたわけだ。

さては足の力と地面が再生する際の力をぶつけ合って一気に解放したな?

そりゃ爆速の移動ができるわけだ。

指摘できる人もここには俺ぐらいしかいないし……

はぁ、とんでもないことするもんだ。

……けど、バレないレベルで魔法を使えばいいのか。

いいこと聞いたぜ……グヘヘ……


「けど、次の玉入れは私初見だから勝手が分からないし」

「……それもそうか。じゃ次は俺が力使う番だな」

「とーちゃん!がんばってよ!チリもがんばるから!」

「おうとも!ちりちゃんにいいとこ見せちゃうぞ!」

「……ほんとかなー?」


本当ですー。

玉入れは学生時代から自信あったからねー。

父ちゃん頑張っちゃうよー?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る