第7話 反省

クリーンウォールの中で、


心細さが募り、ビービー


泣いています。




“スープ?そんなの見たくもない! ”“グラタン?ふた開けたらぶっ飛ばしてやる!! ”

お子様の気持ちが痛いほどわかって、また泣く。無神経にふたを開けてた自分がいた。

周りから見ると、心配な気持ちから、「ひと口だけ、これも食べて。ちょっとだけ。見たら気持ちが変わるかも?!」とか思うけど、こっちからしてみたら、絶対ムリなものはムリ!!

冷たい牛乳、ああおいし~い…パックの両脇上げてあげるの知らないで、やってあげなかったら、怒り狂ってたSちゃんもいたっけ…

退勤時のKさんが寄ってくださる。お子様からのメッセージを持って来てくださる。クリーンルームのビニールフェンスに貼る。



周りから見ているのと、


実際に体験してみるのとでは


大違いでした。


頭で理解してわかったつもり


になってただけで、何ひと


つ、体感出来ていなかった。


そのせいで、入院中のお子さん


の気持ちに寄り添った


立ち位置が、全然取れて


いなかったのだと、


愕然としました。


治療中で気持ちが悪い。


この事を、具体的に、


どんな風に気持ちが悪いのか、


自分の体感として感じよう


とする努力さえ、



私はし得なかった。


こうして自分の問題として


降りかかってきて、ようやく


初めて、ああ、こんなに


辛いきつい物だったのかと、


痛みを持って体感する事が


出来ました。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る