第6話 不思議な感覚

治療を受けている


入院中には、何回かの


不思議な感覚にとらわれる


瞬間がありました。


一番最初にガツンと来た、


マジカルな体験です。


ドタバタ緊急入院で、何が


なんだか…?!😢😢


拉致をされたくらいの


不安と、命に関わる病の


告知による恐怖にとらわれ


心が凍りつく様な孤独感に


さいなまれました。


そんな時に、面会に来てくれた


孫の、私の小指をギュ~っと


握りしめる力の強さ!!




小指をギュッとしています。じいじもメロメロです。



1歳になったばかりの、ようや


く歩き始めた様な子の、


どこにこんな強い力がしまって


あったのだろう?


ウロウロと迷っている私の手を


ギュッと握って強く引っ張って


グングンと前に進みます。


「こっちよ!生きるのよ!」


もちろんまだ明瞭に言葉を


発する事はできない孫が、


そう言った様に私には思えて、


前を行く孫の後ろ姿を、


まるで、子どもの頃に手を


つないで歩いた、母の姿の


様に思いながら、


ぼう然と見やっていたのです。


不思議と、目に見えないけれど


大きく温かい、安心感が


私の心に戻って来たのを


覚えています。

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