第6話 最後まで突っ走った八月

 二週間ほどカクヨムに浮上しなかった。

 その理由は、夏休みの宿題である。宿題が終わるまでカクヨムを使ってはいけない約束となっていた。


 本来の私であればありえないほど時間をかけて終わらせる宿題を三週間で終わらせた。私としては上出来だ。

 帰ってきました近況ノートもコメントしてくださった方は十人。やっぱりまだ、私を信用してくださっているのだと分かり嬉しかった。


 帰って来てからは角川つばさ文庫小説賞「ここは花里学園軽音楽部。さっ、君も入部しよう?」の執筆に専念した。小説賞の締め切りは三十一日。

 週に二回ほどの更新で、絶対にどうにかなるとは思っていなかった。


 結局、どうにもならなくなりそうだった。




 八月二十九日に、1000PVを突破。とても嬉しかった。


 それから三十日は部活と文化祭準備をどちらも休んで執筆。この時点で物語のちょうど中腹にしか達していなかった。


 三十一日は私の全てを懸けて執筆した。十一時から三十分ごとに更新していった。途中で更新が止まったこともあったが立て直して、最終話は二十二時過ぎに公開。


 本当は二十二時には寝ないといけなかった。それをオーバーすると、十分ごとに一日ずつカクヨムが使えない期間が増えていくという約束だった。


 でも、この夏休みは全てこの作品に懸けてきた。だからできる限りの最後のところまで頑張った。


 最終話の執筆が終わったら、すぐに推敲に入った。いらないところを省いて、足りないところを足して、なんとか推敲終了まで漕ぎつくことができた。


 だが、これからだった。




 角川つばさ文庫小説賞の規約に、「角川つばさ文庫の体裁で70ページ~90ページに収まるもの」というものがあった。それをまだ試していなかったのである。


 カオスになってしまった近況ノートを投稿した。あの時は私も必死だった——という言い訳はしないでおこう。


 試し方を皆さんに聞いたら、多くの方からのコメントを頂いた。あの時のことは本当に皆様に感謝している。


 どうにかなった。二十三時五十九分まで、できる限りのことを全てやって……完結済みチェックを押した。


 いまでも最終更新日は、「2024年8月31日 23:59」となっている。この数字を、きっと私は一生忘れない。いや、忘れられないと思う。




 結果、当たり前の落選であったが、私は後悔していない。


 遅い時間まで執筆をしてカクヨムが少しの期間できなくなったことについては、読んでくださっている皆様を待たせてしまい申し訳ないと思っているが、やっぱりあの時推敲をせずに応募していたら一生後悔していたと思う。


 私の今までの夏休みで、一番濃密な夏休みとなった。

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