閑話 お転婆エイミー

あたいはクイン村のエイミー。

五歳の女子。

周りの男子からはゴリラって呼ばれている。

こんなかわいいゴリラがいるか!!

お前らが弱いだけだろ。


今日は森の泉に探険。

森は危ないから子供は入っちゃいけないの。

でもね、出るらしいの。

そう、オバケ。

あたいが捕まえてやる。


ここは森の泉。

なんかいる。

本当になんかいるよ。


泉の水面を飛び跳ねている。

大きさはあたいの手のひらくらい。

すっごい小さい。

かわいい。


こっちに気づいて手招きしてきた。

あたいも真似して手招きした。

こっち来た。


「あたいはエイミー。あんたは?」


首をかしげている。


「名前だよ。あんた名前ないのかい。じゃあ、あたいが名前付けてやるよ。う〜〜〜〜〜〜〜〜ん。チャッピー。あんたの名前は今日からチャッピーね」


「チャッピー?」


「そうだよ。あんたの名前だよ」


「チャッピー、うれしい」


それから、あたいとチャッピーは夜暗くなるまで遊んだ。


パパたちが心配してあたいを探しに来た。めっちゃ怒られた。


夜寝る時にママにチャッピーの話をした。


「それは泉の妖精さんね。ママも会ったことがあるんだって。おばあちゃんが言ってた。ママは覚えてないけど。エイミーも忘れちゃうわよ」


忘れるわけない。

親友のチャッピーのことを。




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