第2話 、、、、頼ってください!隣人ですよ!
「ごちそうさまでした」
「ご馳走様でした」
「じゃ、食器洗って来ますね」
「ぇ、いや、これは俺がやるよ。
俺が立ちあがろうとしたら、京哉さんの言葉で止められた。
「ぇ、でも」
「良いから、夜ご飯作って貰って食べさせ貰ったのに、片付けぐらいやらないと」
「、、、、ゎ、分かりましたよ」
京哉さんの圧に断る事は出来ず、俺はそのまま座った。
「じゃ、洗って来るね」
「はい、」
俺はテレビを見て、京哉さんは食器を持ってキッチンに向かった。
「、、、、(ぁ、この番組面白いかも、今度から見よ)」
「、、、、(この家の洗剤、俺の家と同じだ。何か嬉しいかも、、)」
「、、、、(明日も学校あるしちょっと早めに寝ようかな、)」
「、、、、(そう言えば、さっき母さんから○INE来てたな〜、何だったんだ、、、、ぁ!)、忘れてた!!!」
「ビクッ、、、、ぇ?」
テレビをぬくぬく見てたら、キッチンに居る京哉さんが大きな声で叫んで、俺はビクッとしてしまった。
俺はキッチンの方に目をやると、
「ヤバい、、、、」
スマホを持って焦った表情をしている京哉さんが居る。
「ど、どうしました?」
「ぁ、いや、、なっ、何でもない、!(華月君にこれ以上に心配させたくないし)」
「、、、、(嘘ついてるな、あの顔)、嘘ついてます?」
俺は立ち上がって京哉さんに近づきながらそう言う。すると、「ギクッ」とした顔をする京哉さん。俺はそれを見逃さず、京哉さんに詰め寄る様に近づく。
「、、違っ、」
「、、、、はぁ、頼って下さい。隣人ですよ?それに俺は京哉さんに迷惑かけられても別に良いです」
「、、、、本当?」
「えぇ、」
俺は優しく言うと、京哉さんは諦めた様に両手を降参する様に手を挙げる。
「じゃ、聞いてくれる?話」
「聞かせて下さい」
「残りの食器洗ってから、話すから良い?」
「はい、待ってます」
俺はそう言ってソファにまた座る。数分後、食器を洗い終わった京哉さんが床に正座をして俺の方に真剣な顔をしている。俺はそれに応える様に、真剣に聞く様に耳を傾ける。
「えっと、その、、、、さっき母さんからLIN○があって、その内容が 「いつ、彼女さん家に連れて来るのよ?」って」
「ぇ、、、、ぁ、ぁ〜、そー言う事ですか」
「うん、先月実家帰った時に母さんと妹に「長く付き合っている彼女にそろそろ会ってくれない?」って、言ったんだよね」
「ぁ〜、その時はまだ付き合っててプロポーズもするって決めてたから」
「そうなんだよね、笑。今更会えない、別れたから、何て言ったら母さんと妹がどんなこと言うか、、、、」
京谷さんは項垂れながらそう言うぐらいだから、揶揄ってくるタイプか怒ってくるタイプのどっちなのか、って思うと思ったら。
「、、、、それに、初めて付き合った人だから母さん達も安心してるし、別れたなんて言ったら心配される事もあるし、、プロポーズした後に言えば良かったかも、、、、」
「はぁ、、母さん達に何て説明すれば」
両手を顔で包み、混乱している京哉さんに俺は何も言えなかったが、、、、ある事が頭の中に浮かんだ。俺は無防備な提案だと感じたが、今の京哉さんを救えるのはこれしか無いと、感じ俺は口を開く。
「、、、、あのっ」
「?何?」
「俺が、京哉さんの彼女のフリしてご実家の挨拶行きましょうか?」
「、、、、ぇ?」
「元カノさんの写真とか見せてないんですよね??」
「ぇ?ぁ、うん。名前もまだ言ってないし」
「なら、俺が女装して、京哉さんの彼女のフリをすれば良いんじゃないですか?!」
俺の大胆な言葉で顔を隠していた両手は太ももに行っていて、困惑した顔で俺の顔を見る京哉さん。
「ぇ、いや、ぇ、でも、良いの?」
「俺結構暇ですし、それに困ってるなら、頼って欲しいです、!」
「、、、、なら、お願いしても良い?」
京哉さんが遠慮気味に頼って来たので、俺は嬉しくなりながら、少し大きな声で叫んで、
「はいっ!任せて下さい!」
「なら、やっぱ土日のどっちかが良いよね。なら、、、、来週の土曜日とかどう?」
「良いですね。ぁ、あの、今週の土曜日か日曜日空いてます」
「え?空いてるけど」
「なら、日曜日ちょっと一緒に出掛けましょう」
俺の提案した事に少し驚いた顔をして、ちょっと間を空けてから口を開く京哉さん。
「、、、、ぇ、お出かけ?」
「はいっ!もし、色々聞かれた、色々決めたら後はデートの時の写真とか見せって言われたら、と思いまして、ダメでしょうか?」
「ダメじゃない!良いよ」
「!ホンマ?良かった。ダメやと思ってた」
俺が安堵したら、京哉さんは少し驚いた表情で俺を見る。
「華月君、今関西弁喋った?」
「、、、、ぇ、、ぁ ///// き、気付きました?」
俺が顔を赤くしてると、少し意地悪顔をする京哉さん。
「、、、、関西出身だったんだ?」
「はい、、、、兵庫出身で、1人でこっち来て」
「へぇ〜、知らんかった。俺聞いてないなぁ〜」
「、、、、聞かれてへんもん」
「華月君、、?」
「うぅ、、、、ごめん、なさいです」
「うん、宜しい」
俺は恥ずかしがりながら両手で頬を包んで京哉さんの顔をチラッと見る。
「じゃ、明日日曜日、お願いしますね」
「はぁーい、ぁ、俺の前だったら、関西弁でも良いよ?」
「なっ、何言ってるんよ!、、、、まぁ、気分が向いたら」
「ふふっ、、、、では俺もう帰るね」
京哉さんはそう言って立ち上がったので、俺も一緒に立ち上がる。
「では、、笑顔が大事ですよ」
「はい、笑顔ね 笑」
京哉さんは笑顔で俺の家から出て隣の家に帰って行った。
さっ、、、、日曜日までにみんなに手伝って貰わないとだな。
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ガチャッ‼︎
「みんな、ちょっと女装の手伝いして貰ってもええ?」
「任せて!メイクなら、僕にお任せ!」
「OK!ガーリー?綺麗めカジュアル??コンサバ系?メンズライク?ボーイッシュ?ナチュラル?」
「華月先輩が自ら俺らを頼るなんて、何か感動!」
「ちょっと聞きましょうか?恋ですか?何あったんですか?」
「今はそれやないから、お願いするで!」
「「「「はーい、!」」」」
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「よし、少し早いけど連絡してるし良いよね」
ピーンポーン
俺は午前10時に自分の家から出て京哉さんの家の前に立ってインターホンを押す。数秒後玄関に向かう足音が聞こえて来た。
俺は少し今緊張している。何故なら、今の俺の格好は、
ガチャッ
「はーい、華月君、、、、ど、どちら様でしょうか」
玄関を開けた京哉さんは俺を見て一瞬硬直してから冗談なのか本気なのか口を開いてそう言った。
「俺ですよ。華月ですよ」
「え″、、、、華月君!!?!?」
そう、今の俺の格好は、ちょっと大きめのフリルリボンブラウスの上にブラウン色のニットベストに、ベージュ色のカーディガンに、灰色チェック柄の膝丈スカートを履いていて髪は、ハーフアップのお団子。ガーリー系のメイクで元から可愛い顔立ちの俺には合う。完全に見た目は女子である。
「似合ってへんですか?」
俺がちょっと悲しそうに京哉さんに聞くと、すぐに、
「違っ、!違う!めっちゃ似合う!て言うか、可愛い、超可愛い」
「、、、、ホンマですか?」
「ホンマだよ」
「なら、ええです。、、、、今から出掛けましょう」
「うん、ちょっと待ってて財布とか持ってくるから」
「はい」
俺が返事すると、すぐに部屋の中に戻って行く京哉さん。数分後に準備が終わった京哉さんが玄関に来て、靴を履いて玄関の扉を閉めて鍵を閉め、俺らは実家挨拶の際の事前工作の為に一緒に出かける(デート)。
「一応、彼女なんだし、俺が車道側歩くからね」
「ぁ、ありがとうございます。流石、京哉さん、イケメンやね」
「そう?ありがとう。華月君はいつも可愛いね、笑」
「ぅ ///// ホンマ、人誑しか、アンタは?」
「ん?なんか言った?」
「何でもないで」
なんて話しながら俺達は俺の目的な所へと向かう。
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