【300PV突破!】嘘から始まった
橋本衣
第1話 だって俺ら仲が良いんですもん!
「よし、じゃ、行ってきまーす」
俺は誰も居ない2LDKの家に言い玄関扉を開けて家を出る。
俺の名前は
「、、、、ぁ、
「!
家を出てすぐの隣の家の扉が開いてそこから隣人の誰が見てもイケメンだと言うその人の名は
俺が1人暮らしをし始めた高校1年生の頃からの付き合いで歳は28歳。
俺はすぐに挨拶をしながら近寄る。
「今から出勤ですか?お早いですね」
「うん、今日は朝から会議があって、早めに準備したくて」
話しながら歩き始め、エレベーターに向かう。
「そうですか。流石ですね、課長ですもんね!」
「そうだね。だけど、もっと頑張らないとね」
「凄いですよ。俺なら出来ませんもん!」
「ふふっ んな事ないよ。華月君も、出来るよ」
優しく微笑みながら下の矢印ボタンを押す京哉さん。
「、、ですね!俺も頑張ります!!」
俺は笑顔で言うと丁度エレベーターが来たので俺らは乗って1階のボタンを押す。
「、、、、実は今日、彼女にプロポーズしようと思ってるんだ」
「、、、、、、、、ぇ?彼女さんに?」
俺は京哉さんに言われて一瞬ビックリしてしまい硬直したが、聞き返した。
「うん、大学生の頃から付き合ってるし、そろそろ良いかなって、」
「断られたら、嫌だけど」
照れながらそう言った京哉さんに俺は嬉しくなって笑顔で言った。
「京哉さんなら大丈夫ですよ!だって、こんなにも素敵ですもん!俺が分かるんだから彼女さんも分かりますよ!!」
「、、、、そっか、ありがとう。華月君」
そう言った数秒後に1階に着いた。エントランスを通って、玄関を出て、俺らは2つに分かれる。俺は分かれる前に、一言。
「京哉さん頑張って下さい!!」
俺がそう言うと、京哉さんも大きな声と笑顔で、
「うん!頑張ります!!」
そうして俺はルンルンとなって学校へと向かい、京哉さんはドキドキしながら会社へと向かった。
「(京哉さんなら絶対成功するな、早く良い報告聞きたいな〜)」
何て思いながら俺は歩いている。
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「グスッ スンスンッ グスッ 」
何て思っていたのは約12時間前の話、玄関の前で静かに体育座りをしながら泣いている物体を見て困惑している。
「、、、、、、、、京哉さん、?」
俺がそう少し小さな声で聞くと、顔を勢い良く上げて俺の方を向く京哉さん。
「、、、、華月君、、(涙目)」
「、あの、何があったんですか?何で泣いて、」
「、、、、ぅ、うぅ、俺、俺〜、 ポロポロッ ポロポロッ(泣)」
俺が優しく聞いた瞬間、泣き止んでいた涙が一瞬のうちにボロボロと泣き始めて、話にならない京哉さん。
「〜!、きょ、京哉さん!とりあえず、俺の家来て下さい!こんな所で泣かれたら、近所迷惑になるかも何で!」
俺は京哉さんの腕を掴みながらそう言って、腕を引っ張って家の中に入れる。
リビングのソファに座らせて、キッチンにある冷蔵庫を開けて水の入った大きなペットボトルを開けてコップに移して、京哉さんの前にある机に置く。
「一旦、それ飲んで下さい。飲まない限りは、話聞きませんから」
俺が少し低めの声で言うと京哉さんは聞こえたのか、水を一気に飲み干した。
「、、、、これで聞いてくれる?」
「はい、聞きますよ」
俺はそう言いながら京哉さんの隣に座る。
「、、、、今日、彼女にプロポーズするって話したの覚えてる?」
「はい、元気そうに話してましたよね」
「それで結果はどうなったんですか?」
「それがね、、、、、うぅ 「ぁ、また泣かないで下さい。面倒なんで」 ぁ、はい」
俺がそう言うと、深い深呼吸をしてから俺の方を見て口を開く。
「その、結論から言うと振られちゃった、笑」
そう言った京哉さんの顔は無理に笑っている顔だった。
「!?はぁ、!?ふ、振られた!?何で!?」
「それが、「家は会社経営してて資産家で頭も良くてエリート街道真っしぐらだと思って付き合ったのに、まだ課長とか、マジあり得ない!そんな状況で私に良くプロポーズ出来たわね!!別れて!!」って言われて」
「、、、、何それ酷い」
「でしょ笑でもその後に言われた言葉が結構心に来ちゃってね 「それに私アンタよりエリートな彼氏作ったから!アンタとは今日で他人よ!ぁ、復縁したいとか連絡しないでね〜、だって、アンタって家事以外何にも出来ないじゃない。ろくなデートプラン考えてこないし、月に2回のデートなんて楽しくないわ、じゃ、さようなら」そう言って俺の前から居なくなったよ」
京哉さんはそう悲しそうな顔をしながら話した。俺は言葉が出なかった。この女は何言ってるんだ。何馬鹿な事を言ってやがるんだと心の中で沸々と怒りが湧き上がった。
だが、次に発した京哉さんの発言でその怒りは爆発した。
「でも、俺もその通りだと思ったな笑」
「、、、、ぇ?」
「だって仕事が忙しいって言うのを理由にして彼女とデートを全然出来なかったし、彼女との記念日、全部覚えれないし、だからそれを埋める様にプレゼントを豪華にしたり、週に1、2回はテレビ電話したり、したけど彼女にとっては蔑ろにされてるって感じてたんだな。全部俺のせいじゃんね」
「俺、彼女を幸せにしてあげれなかったんだな笑、俺最低だね笑」
「、、、、何、馬鹿な事を言ってるんですか」
「、、、、、、、、ぇ?」
俺は京哉さんの発言を許せなくて気付いたら、いつもより低い声でそう言うと、京哉さんは驚いた顔で俺の顔を見る。
「何馬鹿な事を言ってるんですか。本当に、何で自分を卑下する様な事を言うんですか!」
「ビクッ だ、だって、本当の事じゃ」
「んな事ないです!京哉さんが彼女さんの為に努力してる事、俺知ってますよ。デートで行く所毎回姉の居る俺に聞いて考えたり、彼女さんが好きな料理を頑張って練習して作ったり、彼女さんとの記念日なんて訳の分からないのが20個ぐらいあってそんなの俺だっていちいち、覚えるなんて無理です」
「彼女さんの為に頑張ってる京哉さんの事は人一倍俺は知ってます!だから、だから(泣)」
俺は感極まって泣いてしまった。
「!、華月君、泣いてっ!」
「だから!俺は自分自身を蔑ろにして馬鹿にする京哉さんが嫌いです」
「京哉さんの悪く言う事は、例え本人でも、いえ、本人だからこそ俺は許す事は出来ません!(泣)」
「京哉さんの努力を俺は知ってます。だから、京哉さん自身が自分の努力を否定しないでください!」
「、、、、!」
「、、ごめん、俺華月君を傷付けた。本当にごめん」
京哉さんはそう言いながら頭を下げた。だから、俺は両手で京哉さんの頬を包んで顔を上げた。
「、、、、京哉さんの努力を彼女さん、いえ元カノさんが認めない、褒めないのなら、俺が褒めます」
「ぇ?」
「俺が隣人として貴方のそばに居た時間は元カノさんよりもあります。だから、俺が褒めるので、」
「貴方の努力を見ようとも知ろうともしない、そんな女の為に貴方が泣く必要ないです」
俺は真剣な顔で京哉さんに言う。
「、、、、そうだね。そうだった。何で、俺気付かなかったんだろ。早く別れてとけば良かったね、笑」
京哉さんは笑顔そう言って俺は嬉しくなった。
「、、、、やっぱり、京哉さんには笑顔がピッタリです」
「ありがとう、華月君」
「、、よし、!俺今から、ご飯作るので、良かったら、食べてください!」
「ぇ!いや、良いよ。迷惑じゃ」
遠慮気味に断ろうとする京哉さんに俺はすかさず、
「今日は、京哉さんは最低な人からの解放記念ですよ。それに俺らは仲が良いじゃないですか。ご飯ぐらい一緒に食べるでしょ」
「、、、、笑 そうだね。なら、ご馳走になろうかな」
「はい、!では、そこで座ってて下さい!」
「テレビとか見てて良いので!」
俺は元気良く立ち上がって、キッチンに向かう。
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「京哉さん!出来ましたよ〜」
俺はそう言いながらテーブルに料理を置いていく。
「わぁ、!エビチリ、春巻き、餃子に中華サラダと卵スープに炒飯だ」
「はい、!中華料理づくしです!白いご飯も炊いてあるので、食べたい時は言って下さい!」
「うん、ありがとう」
京哉さんの顔はさっきより顔が明るくなった。やっぱり、京哉さんに悲しい顔は似合わないな。
「では、いただきます!」
「いただきます」
京哉さんと俺の関係はただの隣人関係だ。でも、それ以上の友情はあるのだ。
何て思いながら、俺はエビチリを1口食べる。
まさか、この後この関係が良い意味で壊れるとは俺は思わなかった。
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