第6話 その後の勇者パーティー

キララの告発で勇者テリオスと剣聖のラフレシア、魔法使いのドブンス、斥候のチピラン4人パーティーが冒険者ギルドで好奇の目にさらされていた。

「おいおい殺人鬼の勇者パーティーが来たぞ」

「キララを奈落の落とし穴に突き落したってな。なんでもテリオスをキララちゃんにとられると思って腐れ王女が命じたそうだぞ」、

「俺キララちゃんのファンなんだ。あいつら、ぜってー許せねえ、そん時テリオスは何してたんだ?勇者なら止めろよ!」


(何を言ってるんだこいつら⁉キララは間違って罠にはまって奈落の穴に落ちたって3人のメンバーが言っていたぞ。僕はラフレシア王女が30階層に魔道具のペンダントを落としてきたと言うから探しに行ってたんだ確かにいつも胸についているペンダントが30階層に落ちていた。本当のことを言っていた。その間のわずかな時間でキララを殺そうとしたというのか?バカげている)

勇者テリオスはそんなことを考えていた。



そこにギルマスのタイラーが現れて言った。

「勇者パーティーの【ザビエルの太陽】のメンバーを、元メンバーのキララ嬢を゙殺害せんとした罪により、国王陛下の命により逮捕拘束する!大人しく拘束されよ!」

するとラフレシアが叫ぶ。

「お父様がそんなことを命令するはずがないわ!無礼なことをすると承知しないわよ」



するとタイミング良く王国軍兵士が駆け付けて来て宣言した。

[元ザビエル王国第3王女ラフレシア、および、ドブンス,チピランの3名を逮捕する。勇者テリオスは参考人として同道して貰う!」


[えっ今、元って言った?お父様は私を捨てたとでもいうの?」

ラフレシアは愕然とした。

「証拠なんて残しておかなかったはずなのに」

この時ラフレシア達はキララが生きていることを知らなかった。ジジの魔道具によって声や行動を録画されていたことも知らなかった。


テリオスは抵抗することなく捕まったが女3人は激しく抵抗した。

本来なら剣聖のラフレシアなら兵士を切り捨てて逃げられるはずだったが大神殿から派遣されて一緒に来た中位神官の【加護無効化】スキルにより能力を封じられてたちまち拘束されて連れていかれた。


この光景を儂とキララは大神殿の1室で見ていた。

儂が冒険者ギルドに映像記録転送魔道具を設置しておいたのじゃ。


この世界は創造神マリアンジュが創ったと信じられている。

なので国王よりも大神官の方が権力を有している。神の世界だからだ。

神々の愛し子であると認定されたキララは大神殿で保護されることになった。


御祈りの時間になった。儂とキララも参列する。儂も神さんに報告したかったからじゃ。

儂が本当に神さんに会いたいと強く願うと儂とキララの身体がカッと輝いた。

光が収まったとき神さんが降臨していた。3度目の顔合わせともなれば神様ではなく親しみを込めて神さんと呼んでいる儂がいる。


「ジジちゃん、キララのことをしっかり守ってくださってありがとうございます。お陰様でキララも覚醒出来ました。それでまたお願いなのですが、この世界の他の国にも魔人が現れて悪さをしています。その国の勇者候補が頑張って防いでいますがいかんせん力不足で討伐できません。そこでキララとジジちゃんで魔人を討伐してください」

「まさか魔王を討伐しろと言わないだろうな」と儂は言った。




続く 

次回最終回予定です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る