第11話 ラクス襲撃!

ドゥークside


 俺達は一旦マルクトの提案を受け入れ、もう少しだけ様子を観察する事にした。アスタは救出した女を仲間に加えてナーシャ村に入っていった所だった。


「ナーシャ村か……。俺がアスタをあそこまで追放したが見ていたら帰りたくなってきたな……」


 あの村は俺達が生まれ育った所で景色を観察していると昔を思い出す。アスタと2人で魔物退治の為に修行した日々……、あの時は楽しかったな。……もうあの頃には戻れないか。

 そんなノスタルジーに浸っていると3人がギルドに入っていく様子が映し出された。


「ギルドに入ったという事は……今から新しく旅を始めようという事ですかね?」


「どうだろうな……。もう少し観察してみるか。うん……?なんかよく分からない連中に絡まれ始めたぞ?バーサス?まさかあいつらってギランのおやっさんが言っていた奴らじゃないか?」


「この際もう誰でも宜しくてよ!バーサスの奴らアスタをぶっ殺してくださいまし!そうしたら迎えに行く必要もないですわ!」


「おい……!仮にも昔の仲間なんだぞ!」


 ラクス……。お前いくらアスタが気に食わないとはいっても発言したら良い事と悪い事の区別すら無いのか……?俺は思わず彼女の胸ぐらを掴みかかった。


「何です?追放したのにまだ情があるのですね……。何故理解できないのですか?それに女の人の胸ぐらを掴むなんてセクハラですわよ?……これ以上やったら人を呼んでドゥークもパーティから追放しちゃおうかしら?」


 これ以上やっても無駄だ……。このパーティをまとめきれない俺にも大分問題があるだろう……。だがこんな仲間を仲間と思えないクソ外道は外すべきだ。


「……もういい!ラクスがそんなに悪趣味な奴だとは思わなかったぜ!お前はクビだ。そんなにアスタを憎んでいるなら好きにやるがいい。」


「ええ……。もしもアスタを殺したら次はあなたよ?覚悟しておくんなまし!」 


 そうして彼女は俺達の元を去っていった。


 ―――――――――――――――――――――――

ラクスside


 本当に何ですの。あの2人は?アスタが気に食わなくて追放したくせにいきなり擁護したりして……。元仲間だからって何?ああ……やっぱり気持ち悪いクズはこの手で処刑が一番美しいですわね!変な優しさを出した私が愚かでしたわ!

 とりあえず……どうしましょうか。私があそこに向かう頃にはあのクズは村にはいないかもしれませんわね。なら……1人ずつ村の人を襲って殺していけば流石に帰ってくるんじゃありませんか?以前ドゥークから聞いた事に過ぎませんが……昔から仲が良く育ててくれた故郷の人達が殺されているんですもの。流石に戻ってくるでしょう。さぁ待ってなさい!アスタ!私がこの手で引導を渡してあげますわ!


 




 

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