第3話

「いらっしゃいませー当店只今──」

「いらっしゃいませーごゆっくりご覧──」


「さすがにIONは少しうるさいな。さっさと本屋に行こ」


平日の朝だけど本屋の中には結構な人数が居る。

皆そんなに本に飢えているのか?

まぁいいや


ライトノベルと書いてある棚の元へと向かい適当に手に取り、少し読み始める。



「お客さん、買わないなら帰ってもらえる?」

「あ、すみません」


店員さんに話しかけられたので仕方なく読むのをやめ、読んでいたラノベが出ている巻数を買うためにレジへと向かう。


「5点で2290円です」

「はい」

「710円のお釣りです。ありがとうございました」


本屋を出たのはいいものの何処に行こう。


ぐぅぅぅぅ


「やべ、もう10時か。フードコートで何か食べるか」


ドクロナルドでいいや。

チーズバーガーのセットを買い、空いてる席へと座り本を読み始める。



あれから30分程たち2巻程読み終わったラノベを鞄に入れて電話した時の会話を思い出す。


ダンジョンマスターかぁ。そんな奴本当に居たんだな。

てことは、世界中にあるダンジョン全てにいるわけだよな。

一体何千人いるんだ?そういえば1ヶ月くらい前にアメリカで初めて攻略された時最終ボスが人みたいなやつって言ってたな。


「⋯⋯これ、俺が今なってもすぐ死ぬオチじゃね?そもそもどうやってなるんだよダンジョンマ──」


ダンジョンを生成しますか?

Yes/保留/No 残り22時間


「──は?」


なにこれ、え?ダンジョンを作る?ここに?

え、でも俺あいつにダンジョンマスターになるとか言ってないぞ?どう言うとだよ。

あっ!そういえば、あいつが説明する時に言ってたな。

確か、24時間以内に答えないとそこにダンジョンを作ってしまうので気をつけろだっけ?


「とりあえず保留だ」


そういうと目の前に出てきた半透明の板に書かれた文字達が消える。


「なんだよこれ」


何が何だかわからなくなり頭を抱えて机に伏すが時間が過ぎるだけで何が起きているか分からないままだ。



「ただいまぁ」

「おかえり」


母に挨拶を終わらせ自分の部屋へと向かうため階段を登り始める。


「駿也ちょっと来なさい」


これは、不機嫌な時の声色だ。


「は、はい。なんでしょう?」

「あんた、今日ちゃんと学校行った?」

「⋯⋯行ってません」

「声が小さい。はっきり喋りなさい」

「行ってません」

「なんで?」

「めんどくさかったから」

「あんたねぇ──」


この後俺は、30分もの間正座をしたまま説教された。


「いい?次からちゃんと行きなさい」

「了解しました」


足が痛い


自室へと戻り即座にベッドへとダイブし携帯を使う


昼頃に見たあの文字なんだったんだろ


そんなことを考えてゴロゴロしていたらいつの間にか意識が遠のいて気付けば眠ってしまっていた。



ダンジョンを生成しますか?

No


ダンジョンを生成しますか?

No


ダンジョンを生成しますか?

No


ダンジョンを生成しますか?

No


ダンジョンを生成しますか?

No


「ふむ、やはり生成しない人が多いですね。」


謎の男は暗闇の中目の前にあるモニターを腕を組みながら見ている。

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