第2話
家から俺達の姿が見えなくなる位まで離れたのを確認し、本来学校に行く為に曲がる道とは真逆へと走り出す。
「じゃあなっ!俺はサボるっ!」
「は!?ちょっ──」
六華が止めに入るより早く俺は駆け出し、六華から逃げ出す。
こんな行動をした人は大体何処に行くかを考えると思うが俺はもう決めてある。
とりあえず公衆トイレへと向かい、鞄から私服を取りだしそれに着替える。
「よしっ、本屋に行こう」
これで、制服姿では無くなったから学生が彷徨いている等という通報はされることもないだろう。
本屋へと歩き出した俺のポケットがブー、ブーと着信が掛かってきた。
「なんだよ、サボるって言ってるだろ。六華」
どうせ六華が俺の現在地の確認をするために電話をかけて来たのだと思い、電話に出るが電話から聞こえてきた声は六華のものとは違った。
『大変申し訳ございません。こちらのお電話は
「え!?あ、はい」
『私、ダンジョンを作成する。所謂ダンジョンマスターという者なのですが──』
は?え?こいつ今ダンジョンマスターとか言ったか?
え?あれ都市伝説だろ?確か某ネットスレでダンジョンマスターだけど質問ある?とか言ってる奴いたけど本物?
『様⋯⋯唯川様』
「あっ!はい」
『驚くのも仕方ないことだとは私も分かっております。なので今、お時間を少々頂いても宜しいでしょうか?』
「え?えーと一応大丈夫です」
『ありがとうございます。では、唯川様はダンジョンマスターという単語に聞き覚え、もしくは見覚えはございますか?』
「えーと、見たことはありますけど都市伝説だと思ってました」
『左様ですか。では、まず私共ダンジョンマスターがどのような者なのかを説明致します。まず──』
電話の相手が説明するにはこうらしい。
まず、現在数を増やしているダンジョンは全てダンジョンマスターが生成したダンジョンらしい。
そしてダンジョンを生成する為の素質を持ってる者に対して最初にダンジョンを生成した人が勧誘をしている。
そして、俺はその素質を持っているから電話を掛けてきたそうだ。
『──以上で私からの説明は終わらせて頂きます。質問はございますか?』
「まずは、そのダンジョンマスターというのは断ることはできるんですか?」
『もちろんでございます。ですがその場合ダンジョンマスターという言葉を忘れて頂く為に記憶を消させて頂きます』
「記憶を消す?」
『はい、ダンジョンマスターという存在を知られることは私共からすれば非常に困ることなのでその存在を知られない為に唯川様がダンジョンマスターにならないとおっしゃるのであれば記憶を消させて頂きます』
「その、それはどうやって?」
『所謂魔法と言うものです』
「魔法⋯⋯ですか」
『はい、魔法でございます』
「その返事って今しないとダメですか?」
『いえ、後日でも構いません。ですが、誰にも言わないというのが条件でございます。』
誰にも言わない、それくらいなら大丈夫だろう。
「⋯わかりました」
『1つ注意点なのですが、もし先程お伝えした情報を家族などに話してしまうと唯川様本人と聞いてしまった人に対し、このように魔法で存在を消させていただきます。』
目の前にあった空き缶が突如潰れて燃え始める。
「わ、わかりました」
『では、また後日こちらからご連絡致します。』
そこでスマホから何も聞こえなくなりさっきまでとは違いものすごい混乱が襲ってきた。
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