少女(3)
彼のことが心配だ。
今日はあんなに一生懸命やっていた部活さえも休んでしまっている。
私の知る限り、彼が休むのはこれが初めてだった。
帰ろうとした時も彼はいつものところにはいなかった。
ずっと一緒に帰っていたのに、今日はいなかった。
久しぶりのひとりぼっちの下校だった。
とても静かで、ただ寂しかった。
いつもあっという間に過ぎる道が今日はやけに長く感じる。
彼のことを考えるたび、胸が痛くなる。
彼のあの気まずそうな表情を思い出すたび、後悔が押し寄せてくる。
思っていたよりも私に彼の存在は大きかったのかもしれない。
明日こそは話せるだろうか?
時間が経ったら元の関係に戻れるのだろうか?
このまま関係が元に戻らないままなのではないか?
そんな不安が尽きることはなかった。
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