少年(3)

みんなに心配をかけてしまっている。


よく遊ぶ友達とかお世話になってる先輩からとかから様子がおかしいと心配されてしまった。


事情を知ってる人は慰めてくれるし、知らない人も深くは聞かずにいてくれる。


それが嬉しかったけど、その優しさが逆に辛かった。


今日は部活を休んだ。


こんな中、部活をやっても上手くできないと思ったから。


帰り道、いろんな風景が目に入る。


彼女との思い出が連想される。


だからまた涙が溢れそうになってしまう。


振られる可能性を考えていないわけじゃなかった。


振られたら振られたでいつも通り過ごして行こうと心に決めていたはずだった。


…でも、無理だった。


自分が思っているよりもずっと、ずっと俺にとって彼女の存在が大きかったのだ。


だから、振られたことがこんなにショックなんだ、とようやく自覚した。


時間が経ったらこの傷も癒えるのだろうか?

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