2. 迫る最期と究極の選択
そんな極限状態の中、真一はついに倒そんなれて救急搬送される。病院ではベッドの上に横たわり、脂汗を流しながら苦しそうにうめいていた。医師は頭を振る。もはや手術不可能で、余命はそう長くないという診断だ。
しかし、痛みがやや落ち着くと、真一は自宅に戻ることを希望する。研究所に置いたプログラムの最終コードを仕上げなければならないからだ。医師は止めようとしたが、真一の意志は揺るがない。
帰宅後、アンドロイドの香織はますます症状が進み、自分の名前さえ忘れかけるときがある。彼女の身体機能も不安定になり、リビングの床に膝をついて動かなくなることさえあった。真一は激痛に耐えつつも彼女を支え、自らタブレット端末に向かってコードを書き続ける。
「もし救えないなら――せめてお前との記憶を、この世界に刻むためのプログラムを残す」
そう決心した真一は、自分の感情データと香織の感情プログラムを融合させ、新たな“感情エンジン”を生み出すことにかかった。世界中のアンドロイドを救済できる可能性を秘めたワクチンと、二人の“記憶”と“想い”を一つにするシステム――ある種の究極の愛の結晶だった。
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