2. やり残した思い出を追う
真一は突如、アンドロイドの香織に声をかける。
「……お前、明日から出かけるぞ」
「どこへ……?」
「かつて樋山香織が好きだった場所、行けなかった場所……全部、お前と回ってみる。お前が“思い出を作りたい”って言ったからな。……オレもやり残したことがあるんだ」
こうして、真一は外出嫌いの殻を破り、二人で“香織の足跡”を辿る旅に出ることを決心した。胸の中には期待と不安が入り交じり、それまでの閉ざされた生活とはまるで別世界のように感じられる。
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