第2話 人馴れしてる感じのキジトラ猫さん
最初に定期的に来るようになったキジトラ柄の猫さんは、
玄関からでも勝手口からでも気が向いた時に入って来た。
わりと人馴れしている感じ。
触るところまではいかないけど、近付いても逃げない。
チュールをあげたら手から食べた。
ご飯の時、こちらに堂々とお尻を向けて座って食べるのも、
安心してくれている証拠だと思うと嬉しい。
ここは自由に出入りしてもいいらしい。
要求するとご飯がもらえるらしい。
危害を加えられる心配は無さそう。
というところまでは、伝わったのかと思う。
キジトラ柄だからトラちゃんと呼ぶことにした。
トラちゃん一番のお気に入りは新しいカツオブシで、
出汁を取ったあとの物は食べない。
美食家らしい。
可愛くて丸々していて愛嬌があるので、
他の場所でも色々ともらっているのかもしれない。
出かけて帰ってくるとトラちゃん来てることがあり、
ご飯を待っていた時はお怒りの様子。
大きな声でワァーワァーワァーと鳴いて抗議してくる。
「食べに来たのに開いてなかった」という苦情。
前に居た家は動物禁止だったし、
もし大丈夫だったとしても狭すぎて無理だったけど、
ここなら動物さんと一緒でも暮らせるかもしれない。
そう思い始めた頃から、縁があったらいいなあと
思うようになった。
ペットショップで買うとかじゃなくて自然の出会い。
動物さんの方でも「ここに居よう」と決めてくれたら
初めて成立する出会いがいい。
そういう出会いをこの頃から何となくイメージしていた。
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