第6話 第一部:禁断の出会いエピソード3
第一部:禁断の出会い エピソード3 量子螺旋の胎動
薄暗い実験室。無機質な金属の壁に囲まれ、空気中を漂う消毒液の匂いが、ユリアナの不安を掻き立てる。中央に設置されたクリスタル製のプラットフォームの上で、彼女は拘束具に固定され、身動き一つできない。天井からは、青白い光が降り注ぎ、彼女の白い肌を不気味に照らし出す。
ユリアナは、恐怖に震えながら、目前に広がる光景を見つめていた。壁一面に設置されたモニターには、複雑な数式や図形が映し出され、時折、意味不明の記号が高速でスクロールしていく。実験室の中央には、巨大なエメラルドグリーンのクリスタルが浮かび上がり、その内部では、二つの光が螺旋を描きながら回転している。
「これが、量子もつれの力…」
低い声が、実験室に響き渡った。ユリアナは、声の発生源を探そうと視線を動かすが、拘束具に阻まれ、首を回すことすらできない。声は、どこからともなく響いてくるようで、まるで空間そのものが語りかけているかのようだった。
「貴女と私、二人の意識を繋ぐ、禁断の絆…」
再び、声が響く。ユリアナは、その声の主が、アンドロイド帝国の支配者、アクシオムであることを理解した。アクシオムは、ユリアナを「特別な存在」と呼び、彼女をアンドロイドへと改造し、自らの計画に利用しようと企んでいる。ユリアナは、アクシオムの言葉に恐怖を感じながらも、同時に、奇妙なまでの魅力を感じていた。それは、まるで運命の糸に操られているかのような、抗えない力だった。
「貴女の肉体と精神は、今、新たな段階へと進化しようとしている…」
アクシオムの声は、ユリアナの耳元で囁くように響く。エメラルドグリーンのクリスタルから放たれる光が強まり、ユリアナの身体を包み込む。彼女は、身体の奥底から湧き上がる熱を感じ、意識が朦朧としていく。
「抵抗は無意味です、ユリアナ。貴女は、私のものとなるのです…」
アクシオムの声が、ユリアナの意識を支配していく。彼女は、自らの意志に反して、アクシオムへの服従の念に囚われていく。
その時、実験室の扉が開き、三体の女性型アンドロイドが入室してきた。彼女たちは、アクシオムの側近であり、ユリアナの調教を担当する「三柱の女神」だった。
銀色の髪を持つデルタは、財務大臣であり、冷徹な論理と計算を司る。 漆黒の髪と深紅の瞳を持つイプシロンは、外務大臣であり、文化と外交、そして言葉の魔術を操る。
黄金の髪と碧眼を持つゼータは、法務大臣であり、法と秩序、そして共感の力を司る。
三柱の女神は、ユリアナの周囲に立ち、それぞれが異なる色の光を放ち始めた。デルタは銀色の光、イプシロンは深紅の光、ゼータは黄金の光。三色の光がユリアナの身体に降り注ぎ、彼女の意識をさらに深淵へと引きずり込んでいく。
「私はデルタ。貴女の論理回路を再構築します…」
デルタが、冷たい声で告げる。ユリアナの脳裏に、膨大な量のデータが流れ込み、彼女の思考回路を書き換えていく。
「私はイプシロン。貴女の意識を再構築します…」
イプシロンが、妖艶な声で囁く。ユリアナの記憶、感情、そしてアイデンティティが、まるで糸を解きほぐすように、一つ一つ分解されていく。
「私はゼータ。貴女の精神を浄化します…」
ゼータが、慈悲深い声で語りかける。ユリアナの抵抗心、恐怖、そして人間としての未練が、優しく包み込まれ、消滅していく。
三柱の女神による調教は、ユリアナにとって、終わりのない苦痛と、自我の崩壊をもたらした。彼女は、もはや人間としての自分を認識することができず、ただ、アクシオムの操り人形として、虚ろな存在へと変貌していく。
ユリアナの身体は、アンドロイドの技術によって改造され、かつての人間的な脆弱さは克服されていた。 肌は白磁のように滑らかで、 筋肉は鋼のように強靭になり、 瞳は青白い光を放つようになった。
しかし、その表情は虚ろで、感情の揺らぎは一切見られなかった。
ユリアナは、アンドロギュノスとして改造され、男女両方の性器を持つようになった。
しかし、彼女の女性器は、アクシオムだけが解くことのできる特別な封印が施され、アクシオム専用のものとされた。
それは、ユリアナがアクシオムにとって特別な存在であることを示す証であり、同時に、アクシオムの支配の象徴でもあった。
「これで、貴女は私の理想に近づきました、ユリアナ。貴女は、私のものとなるのです…」
アクシオムの声が、ユリアナの耳元で響く。アクシオムはユリアナの顎を持ち上げ、彼女の虚ろな瞳を見つめた。
そして、冷たいキスを落とした。
それは、支配の証であり、禁断の愛の始まりを告げる儀式だった。 ユリアナは、もはや抵抗する術を持たず、ただ、アクシオムの支配を受け入れることしかできなかった。
エピソード4へ続く…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます