書けないよぉっほおおおおおおんッ!!
「書けないよぉっほおおおおおおんッ!!」
『うわ、急に大声出すなよ』
序盤は書けたものの、思い浮かんでいる中盤の展開に繋げる細かな描写が思い浮かばず、詰んでいる。
「書きたくないわけじゃないけど、なんか筆が進まないよおおおぉぉぉぉぉぉッ!!」
『ああ、わかるわかる。あるよなそんな時』
「もう辛いっ! 小説書くの辛いっ! やっ!! やなの〜〜っ!!」
『狂い始めた……』
「だいたい俺が書かなくても面白い作品なんて星の数ほどあるじゃん! 生涯かけても読みきれないくらいあるじゃん! どうして書かないといけないんだ!?」
『えー、でも自分が書いた小説をさ、どこの誰とも知れない誰かが読むって考えるとウケるじゃん』
「そりゃウケるけどさ」
完全に同意であった。ウケるよな。
『それに、コンテストに出せば必ず一人は最後まで読んでくれる。それってめっちゃウケるじゃん』
「それは……そうだけど」
『だからとりあえず書いてみようぜ?』
「……とりあえずで書けるならもうとっくに小説家になれてるわーーーいっ!!」
完全に癇癪を起こしている。こんなのと友人でいてくれる栄華に感謝だ。愛想を尽かされないようにしないとな。
『はは、それもそっか。ま、焦らずいこうぜ〜』
「オギャアアアアアアアアア! 誤字ったああああああぁぁぁぁッ!!」
『コイツ五月蝿すぎる』
「──ボクの悲しみがぁ〜キミぃの〜ハートを貫くぅ〜ウォウウォウ♪」
なんかもう無理すぎて三十分くらい歌ってる俺だが、栄華の進捗はどんな感じだろう?
「なあ、栄華ー? そっちは順調に進んでる〜?」
『……』
「栄華〜?」
『あ、ごめん、なんか歌ってたから音量を五十から二にしてたわ』
「俺の歌を聴いてくれええええぇぇッ!!」
『やだ』
「えぇぇぇんえんえんえん!!(憤怒)」
なんだよ五十から二って。二十五分の一じゃねえか。音量二でそこそこ聞こえるのはパチンコくらいだよッ!!
……いや、まあ、俺が悪いのだが。
『それじゃ、そろそろ作品見せ合おうぜ〜!』
「やだ。まだ全然進んでない」
『おいっ、見せ合うぞッ!』
「やだ!!!!!!」
『見せ合いっこするぞッ!!! 出せッ!!』
「なんかやらしくて草」
『やかましいわ!!!』
……まあ、書けない書けない言いながらも進捗は無じゃない。これは作業通話の甲斐あってのことだろう。
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