第5話 特殊部隊クロスオーバー
「来栖凪さん…ね、覚えたよ…あぁ…僕の名前を言ってなかったね僕の名前は新井優だよよろしく…でその特殊部隊クロスオーバーって何?」
ズコーってな感じのリアクションを取りながら
こちらに向き直る彼女がこう言った
「あなたクロスオーバーを知らないんですか!?いや~結構有名になったと思ったんですけどね…まぁいいです!それで新井優君ですね…特殊部隊の基地に案内するので手を握ってください!」
そりゃああの異世界に行ってたから知るわけもないがってなんで手を握るんだ?
「あ、説明不足でしたね僕の時空魔法使うと一瞬で基地に着いちゃいます!でも他の人と使うときはどこかの部位に触れてる必要があるんですよね〜」
時空魔法…昔どこかで聞いたような名だ…確かなかなか使い手がいなかったはずだ。
「分かった…これでいいか?」
僕は相手の出してきた手のひらを握り返すと相手は呪文を発動した
「じゃあ行きますよ〜テレポート!」
ブォン スタッ
一瞬景色がズレたかと思うと本当に一瞬で景色が変わった。
そこには真っ黒な大きな建物がありロゴのようなものでクロスオーバーと書かれていた。
「さて着きましたよ〜ここが我らが特殊部隊クロスオーバーの基地です!ここからは歩きながらクロスオーバーの説明をしますね。」
そう言って来栖さんはクロスオーバーの説明をしてくれた。
クロスオーバーは異世界アナザーから来てしまった魔物の駆除及び警察では手に負えなくなった能力者の逮捕又は殺害をする部隊だそうだ。
思ったよりもだいぶ危険な職業だな…
まぁ僕に危険があるとするなら地球を滅ぼせるぐらいのやつ…は戦ったことあるから基本的には大丈夫だな。うん。
「部隊の説明はわかったが仲間にしたいってだけで仲間になれるもんなのか?」
「それは大丈夫ですよ〜実は今部隊の人間が少ないのでみんなでいい人材がいたらスカウトしようって話になって…それでいい人材がいないか知り合いに相談した結果新井さんが見つかったわけです!でもただで入れるわけじゃなくて試験は受けていただきますけどね〜まぁ、試験と言っても新井さんなら簡単に突破するでしょうけどね〜」
終始軽い調子で続ける来栖さん。
なぜか凄い期待されているがなぜだろうか?
まぁいいか
そうしていると目的の場所に着いたみたいで来栖さんが扉の前で立ち止まる。
「いったんここで待っててくださいね!」
そういった後に扉をノックする来栖さん
コンコンコン
「来栖凪です」
「入れ」
「失礼しま〜す」
そう言って中にはいって行く来栖さん。
そうしてしばらくして中から来栖さんの声で
「新井君〜入っていいよ〜」
声をかけられたので無言で中に入る。
そこには特徴的な人物が8人居た。
ハットを被り髭を生やした老紳士のような服装をしている男に軍服姿の女にぬいぐるみを抱えた小柄な少女、筋肉ムキムキの大柄な男性など様々な個性豊かな人たちが居た。
そして一番奥に居たいかにもボスっぽい人が口を開いた。
「この子が来栖がスカウトしてきた人かね?」
「そうだよ〜やっと見つけたんだよ〜いやー大変だったなぁ…」
「ふむ…君名前は?」
「新井優です」
僕の名を聞くと少し悩んだようにボスっぽい人が聞いてきた
「新井優…もしかして君は転移事故の被害者か?」
「あぁ…そうです」
すると途端に周りがザワザワし始めた
「転移事故ってあの滅多に起こらないやつでしょ?」
「しかも被害者ってことは帰ってきたってことだよな?まさか自力で?ナイナイ」
「ね〜流石にね」
「むー新井君はそんな嘘を付くような人ではありません!多分…」
「そこは自身もとっか?凪」
「もしこの話が本当なら前代未聞ですぞ」
「話が本当ならな」
「…ボスが確認すればわかること」
するとまたボスっぽい人が威圧感を出して
「私語は慎め」
と一言だけ呟いた。
それだけで周りの人たちの声は止まり静かになった。
「すまないな話の続きをしようかやはり君は東京都の八王子市にある武蔵中学校の修学旅行でいなくなった新井優君なんだね?」
「はい、その通りですよく知っていますね」
「そうか…嘘ではないな…よく無事で帰ってきてくれた…」
ボスっぽい人は少し顔がほころび安心しているようだった。
親以外に僕の帰還を喜んでくれる人がいるなんて思わなかったため少しびっくりした。この人は優しい人なのかもしれない。顔は怖いけど…
「だがよぉボス嘘はいってねぇようだがこいつはどうやって帰ってきたんだ?」
「私語は慎めと言ったはずだ…だがそのことは私も気になっていた 新井君…君はどうやって帰ってきたんだい?」
「僕は深淵魔法のゲートって呪文を使って帰ってきました」
「嘘偽りなし…深淵魔法か…聞いたことがないな…それはどういう呪文なんだい?」
「ゲートは精神を犠牲にして自分が指定する世界に行く呪文です」
するとまた周りがざわざわし始めた。
「静かに…この子は嘘はいっていない…精神を犠牲に…か…それでよく無事でいられたね」
「はい…異能のおかげでなんとかなりました…」
「そうか…大変だっただろう」
「はいとても…大変でした…でも帰って来れたんで良かったです それでスカウト?された時にここで試験を受けると聞いたんですがどうすればいいんですか?」
「そうだったねすまない、試験はこの中のメンバーの一人と戦ってもらいその人から認めてもらったら合格となる」
「なるほどわかりました。 ちなみにその試験はいつやるんでしょうか?」
「いつでもかまわないよやる気がなければ帰ってもらってもかまわない…新井君君はどうしたい?」
僕は悩まずに即答する。
「では今日やらせてください。僕にはやらなきゃいけないことがあるので…」
「そうか…では誰か新井君と戦ってみたいものはいるかね」
そう言うと何人か手が上がる手を挙げているのは筋肉ムキムキの大柄な男性とオオカミのような尻尾と狼の耳がついている男と軍服の女だった。
「ふむ…では獅子王君がやりなさい」
大柄の男が立って
「ヨッシャァ!!」
と叫んでいた。
他の手を挙げていた人は
「チッ今日は筋肉ダルマかよ」
や
「残念だな、せっかく剣のサビにしようとしていたのに…」
と呟いていた。
ほんとに試験だよな?殺し合いとかじゃなくて…
まぁ殺し合いなら楽でいいけど…
「それではみな訓練室へ移動しよう」
「「「「イエッサー ボス!」」」」
こうして僕の試験は始まりを迎えるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます