第10話 開示
◆◇◆◇◆◇
[レベル20に到達しました]
[第三次能力が覚醒します]
[第三次能力【
[第四次能力発現まで残りレベルは10です]
ヒルハ草の採取中に近付いてきたスライムを倒してレベルアップしたようで、目の前に半透明の板が出現した。
「へぇ、【正義と真実】ならより詳細にステータスを視ることができるのか」
能力を発動させるだけでステータスを表示することができるらしく、毎回〈ステータス確認〉と呟く必要が無くなった。
さっそく【正義と真実】で今のステータスを表示させてみた。
○名前:天宮セイジ
⚫︎レベル:20
⚫︎個人特性:反逆、不屈、勇猛
⚫︎クラス:勇魔
⚫︎固有能力
・【
・【
・【
・【
・【
・【
・【
⚫︎能力
第一次能力【
第二次能力【
第三次能力【
第四次能力〈未覚醒〉……覚醒まで残りレベル10
⚫︎各種能力値
筋力値:49(+3)
耐久値:49(+3)
敏捷値:49
精神値:49
知能値:49
体力値:49
魔力値:49
幸運値:7
⚫︎装備
〈中鬼首領の籠手〉
ふむふむ。幾つか情報が追加されているな。
「ほほう。能力ごとのランクが分かるようになったのか。他にも能力値が、あっ。クラスが見えるようになってるじゃん」
他のところに目が行って気付くのが遅れたが、これまでは隠されていたクラスが見えるようになっていた。
記憶が確かならネットで調べた中には無かったクラスだ。
【正義と真実】の力で〈勇魔〉について調べてみようとしたが何の反応もなかった。
元々調べられないのか、【正義と真実】の力が足りないのかは分からないが、調べられないなら放置するしかないか。
「〈勇〉って文字を見る限り〈勇者〉クラス関係かな。取り敢えずネットで、あっ、使えないんだったな……」
ダンジョン内で使うことができないスマホなのが恨めしい……。
文明の利器たるスマホが使えない環境だなんて、まるで魔界時代に戻ったかのようで吐き気がしてきた。
「くっ、今日の稼ぎだけでは購入は無理か? うん、無理だな。おのれ資本主義社会め……」
魔界時代を思い出して変なテンションになってきたので【
頭に清らかな光の粒子が纏わり付くと、頭の中がスーッとしてきた。
「……ふぅ。トラウマにも効くとは、流石はSランク評価なだけはある」
他の〈高速思考〉と〈並列思考〉の能力も含めるとSランクなのも納得だ。
そういえば、能力の等級表示についての話をネット上で見た気がする。
鑑定系能力を使ったら確認できたことから、鑑定系能力かなんかのまとめサイトでチラッと見たんだろう。
ダンジョンを出たら探すとしよう。
「お、こっちの〈魔聖値〉は調べられるぞ」
【正義と真実】で初見の能力値である〈魔聖値〉を調べてみた。
○魔聖値
極一部の覚醒者のみが持つ能力値〈固有値〉の一つ。天宮セイジ専用の固有値。
・魔聖値は固有能力数と発現した能力数の合計値×10の値。
・魔聖値の3分の1の値が魔聖値以外の各種能力値に加算。
・???
・???
なるほど。魔聖値は噂の固有値の一種だったのか。
後ろ二つの???はさておき、七つの固有能力と三つの能力発現だから魔聖値は100、っと。
つまり、ステータス上には表示されていないが、実際には今も各種能力値は33ずつぐらい加算されていることになる。
「3分の1の値が筋力値とかにプラスされるなら、レベル1の時点でも27ぐらいのボーナスがあったというわけか」
地球に帰還時でレベル1だったのにラプトルモドキを倒せたことからも、ちゃんと加算されているのは間違いないだろう。
体感だが、あのラプトルモドキはゴブリンやスライムよりも格上だ。
昨日倒したボスモンスターのホブゴブリンリーダーよりは格下だが、レベル1の覚醒者が倒せるようなモンスターではない。
固有能力があるから魔聖値がなくても倒せただろうけど、あそこまで簡単には倒せなかったはずだ。
「レベル1時点での覚醒者の能力値は幸運値を除けば全員1らしいから、俺はレベルアップごとに2以上3未満は増えてるわけか」
オリジナルの測定水晶玉やステータス鑑定能力を使えば、能力等級と各種能力値を視ることができる。
それらによって分かったのが、レベル1では覚醒者の各種能力値は誰もが1であること。
そして、レベルアップの度に増える各種能力値の値はクラスによって異なることの二つだ。
一般的には一部の能力値だけが大きく伸びるそうなので、幸運値と固有値である魔聖値を除いた全ての能力値が一律で上がる俺はかなり珍しいと思われる。
筋力値と耐久値の部分にある+3というのは、装備している〈中鬼首領の籠手〉の効果によるものなので、レベルアップや魔聖値とは関係ない。
「調べることが増えてくな……ヒルハ草やスライムも鑑定できるとは、流石はSランクだな」
【正義と真実】で手元のヒルハ草と新手のスライムを鑑定することができた。
新手のスライムを【
影の中から出てきたリュックにヒルハ草入りの袋を収納していく。
「む。もうパンパンだな。魔力核分は空けておく必要があるから……」
リュックに入れておいた全てのヒルハ草を一旦取り出すと、現時点までに集めた全ての魔力核を影の中から出した。
魔力核をリュックに入れて、その上からヒルハ草入りの袋を押し込む。
「うーん。残りは手に持ってから外に出るか。影への収納能力を明かせば済む話だが……」
【
世界各国で収納系能力持ちの覚醒者は国によって管理されており、それはこの国でも変わらない。
仕事は選ぶことはできるが、自然災害などの緊急時には半強制的に国から召集されるので、普通の覚醒者のような自由は望めないだろう。
それらの要請や完全な管理に置かれるのを避ける方法は幾つかあるが、そのいずれも俺は条件を満たしていない。
「収納能力がバレたらレベルアップがし難くなるのは間違いないから、暫くはこのままだな……」
取り敢えず、リュックの紐にヒルハ草入りの袋を括り付けて両手をフリーにしてからリュックを背負う。
ここは人がいないから問題なかったが、他の場所ではこうはいかない。
高ランクダンジョンなら少ない戦利品だけで稼げるそうだから、早く覚醒者ランクを上げたほうがいいのかもしれない。
「第三次能力まで覚醒したから更新しにいくべきか? いや、昨日登録したばかりだから暫くは止めとくか」
悪目立ちして得することは無いしな。
あとは帰り道にスライムを倒しながら戻れば十分だから、そろそろダンジョンを出るとしよう。
今日の稼ぎが幾らになるか今から楽しみだ。
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