テスト
@r6tn856n
第1話
何も知らず少し恐る恐る登録しました。
第1話
と表示されていて、何かどこかの誰か知らない人の書斎へ入ってしまった様な心もとなさに包み込まれている。
机、イス、電気スタンド、筆記用具、そしてまっさらな原稿用紙が置いてある。
「ここは何処なんだ!
自分は一体何者なんだ!」
と書いてみた。
本当に、何となく、登録してしまった。
もし読者がきてしまったら申し訳ない。だけど付けてみたタグは
「テストです」
これなら誰も来ないはずだ。
「ドンドンドン!」
書斎のドアがけたたましく鳴り響く。
「明智です!」
明智さん!?
明智光秀!?三日天下を取りに来た!?
いや小五郎かも。
とりあえず呼び返してみる。「明智くん!」
「…誰!?」
私だって知りたい。私が誰なのか。
でも逆に聞いてみる。「あなたこそ誰?」
「お前誰だ!」
「知らないんですホントです!
記憶喪失かも知れません!
何もかも思い出せない!!」
「鍵を開けろ!」
絶対嫌だ。知らない人を書斎へ入れる訳には行かない。不法侵入者かも知れない。
闇バイトかも知れない。
殺される!?
警備会社に早く申し込めば良かったのだ。
全ての部屋へ、連絡ボタンをつければ良かったのだ。
いや、でも、私の方が不法新入者の可能性もある。。。
記憶が無いのだ。
捕まるかも。
だが思い出した。
この状態を終わらせる呪文。
すぐにでもこの悪夢の様な書斎から安全に抜け出せる呪文。
怖い状況だったけど、終わらせよう。
少し寂しいけど。
ドンドンドン!
不意に鍵が外から開けられた。ガチャリ。
慌てて私は呪文を叫んだ。
「これ、テストです!!!」
全部消えた。
書斎も私も、開けた人物も
そして
あなたも
(♪世にも奇妙な のエンディング曲のにせものみたいな曲が流れる)
冬の特別編 終
テスト @r6tn856n
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